【聖徳学園中学校】の適性検査型入試は、知的ワンダーランドへの招待状。

適性検査型入試

JR中央線「武蔵境駅」南口徒歩3分。先進的な教育を実践している学校として多くの取材を受ける聖徳学園中学校は、適性検査型の新タイプ入試にも力を入れている学校。来年からは2科型、3科型に加えて、共通2科型の適性検査型入試を導入し、ますます入試の幅を広げます。そんな聖徳学園の適性検査型入試について、入試企画室長 新宿 仁洋先生にお聞きしました。

入試企画室長 新宿 仁洋先生

まず適性検査型入試を取り入れた背景について教えてください

「これからの時代は、認識や社会全体の価値観が劇的に変化する、予測が困難な時代です。そんな時代を生きていく生徒は、どんな状況に自分が置かれても、主体的に社会と関わり生きていく力が求められます。本校ではそんな時代に求められる『正解のない問いに向き合う力』の育成を大切にしており、資料読解力と思考力で解答する適性検査型入試は、本校に入学してからの学びにとてもマッチしているからです」

適性検査型入試は、どんな点が聖徳学園の学びにマッチするのでしょうか?

「本校ではSTEAMの授業で、『正解のない問い』に挑戦し、最後は自分の考えを動画やポスター、プレゼンテーションなどにまとめて他の生徒と共有する、ICTを活用した授業を行っています。『正解のない問い』は、「これ」が正解というゴールがないので、より良い自分の答えを考え続けることになります。考え続けることは、思考することが好きな生徒でなければできないことで、適性検査を勉強してきた生徒にとてもマッチしています。もちろん適性検査の受験生でない生徒にも『ペーパータワー』や『レゴダック』といったグループワークを行い、すべての生徒が楽しみながらSTEAM授業に取り組める環境づくりを行っています」

https://jsh.shotoku.ed.jp/jhs_admission_policy/school-briefing-video_js/

「ペーパータワー」は、2〜3名のグループで、数枚の紙を使って制限時間内に消しゴムのおもりをのせても倒れない一番高いタワーを建てるゲーム。「レゴダック」は、ペアになった片方が、相手の手元を見ずに言葉だけで自分と同じアヒルを相手に作らせるゲーム。プログラミングを学ぶ前にプログラミング言語の仕組みを体験します。ICTのCはコミュニケーションのCであり、STEAMの授業では『相手が何をいっているのかを正確に汲み取ること』や『自分が何をいいたいかを正確に話すこと』を学びます。自分が考えたことを効果的に人に伝える表現の一つとして動画制作も行っています。そしてこの学びが素晴らしいところは、楽しいこと。引っ込み思案な生徒も表現することの楽しさを知ると、自由に個性を発揮して授業を楽しんでいるといいます。

グループワーク「ペーパータワー」の授業にて

STEAMだけでなく、私立校ならではの多彩な学びが待っている聖徳学園。その入口の一つとなる適性検査は、どんな傾向の問題が出されるのでしょう?

適性検査型入試は、どんな傾向の問題が出題されるのでしょうか?

「本校の適性検査は、2科型・3科型・共通2科型の3つから選択ができ、2科型は都立三鷹中等教育学校、3科型は都立武蔵高等学校附属中学校の問題を参考にして作問しています。共通2科型はⅠ型・Ⅱ型ともに共通問題を参考に作問しており、都立立川国際中等教育学校・都立南多摩中等教育学校の受験生におすすめです。20名弱の教員が1年間かけて作問した問題は、本校の上位合格者が公立一貫校に合格していることからもわかるように、問題も採点基準も公立一貫校と非常に近いものとなっていると思います。また試験は、公立一貫校と同様の集合時間、検査時間を設定し、2月1日に実施しています。2日の合否を知った上で、公立一貫校の適性検査にのぞむことになりますので、本校は併願受験校にたいへん適しています。昨年度は、三鷹189名、武蔵131名、立川国際28名の受験生が併願校として受験しています」

昨年度は415名もの受験生が、適性検査型入試を受験している同校。今度は適性検査型入試で受験して入学された生徒さんに、試験や学校のことについてお聞きしました。

教えて!学校のこと 試験のこと

適性検査入試を受験して入学されたT.Yさん。現在中学3年生。

Q1 中学受験を考えはじめたのは何年生の頃ですか?

「小学6年生になってすぐ、春ぐらいです。適性検査を受けようと思い、何校か受けようと思った中に、聖徳学園がありました」

Q2 公立はどの学校の適性検査を受けましたか?

「立川国際を受けました」

Q3 適性検査を受けようと思ったのは何故ですか?

「家族と話し、適性検査ができるようになれば学力が上がるのではないかということで、個別指導の塾に通い、受けることにしました」

Q4 適性検査を受けてみていかがでしたか?

「公立一貫校の問題と比べると若干解きやすいかなと思いましたが、国語は記述が多くて長くて、今までで一番書いた印象です。作文は得意でしたが、算数が苦手で、しかも計算問題ではなく文章題が多かったのであまりできていなかったと思います」

Q5 何故、併願校に聖徳学園を選んだのですか?

「小学生の時から動画を編集することが好きで、聖徳にはiPadを使ったICTの授業があるのを知り、面白そうだと思って受験校に決めました。塾の先生からもすすめられました」

Q6 聖徳学園に入学してみていかがですか?

「iPadを使った授業がたくさんあって、ワクワクする面白いことがたくさんありました。聖徳映画祭では、SDGsを題材に電気が世界からなくなってしまい滅亡する映画を作って発表しました。普通の学校だったらできなかった動画制作がこんなにできるのは聖徳ならではで、本当にうれしいです。また将来に役立つことを学ばせてくれるところも良かったと思っています」

Q7 例えば将来に役立つことってなんですか?

「将来に役立つ動画制作のアプリや技術を教えてくれたりする点もですが、例えば太子祭(文化祭)で、私たちのクラスは貧困について調べ、貧困をテーマにした動画を作成したのですが、その時に知った“貧困”があまりにも衝撃的でした。まだしっかりとしたものではありませんが、将来は、世界にはこんな子たちがいるということを発信できるようになれたらいいなと思っています。こんなきっかけは、自分の将来を考える際にとても役立つものだと思います」

Q8 聖徳学園はどんな学校だと思いますか?

「他の中学校に通っている友達と話していると、聖徳はとても自由。学園祭もすごく盛り上がって楽しいです。入学当時はちょっと引っ込み思案だったのですが、授業で人に伝えることを学んだせいか、いつの間にかそういうところもなくなり、生徒をしっかり成長させてくれる学校だと思います」

Q9 聖徳学園の受験を考えている人へのメッセージをお願いします

「試験は問題の量が多いので、早く解けるようにしておくと後悔しないと思います。またICTの授業は本当に楽しく、他の学校ではできないことなので、私のように興味がある人は受けてみるといいと思います」

2022年の学校紹介ビデオ
https://jsh.shotoku.ed.jp/jhs_admission_policy/school-briefing-video_js/

あくまでも取材者の私見ですが、お話を聞いていてT.Yさんは、動画制作が好きということもありますが、公立一貫校より聖徳学園に進学された方がきっと良かったのではないかと思いました。最後に、これから適性検査型入試を考えている保護者と受験生へ新宿先生からメッセージをいただきました。

最後に適性検査型入試を考えている保護者の方と受験生にメッセージをお願いします

「適性検査は、主題(その問題の中で答えなければならないこと)と条件(ふまえなければならないこと)を、限られた時間内で満たして解答しなければなりません。膨大な資料や文章を読み込むといった側面もありますが、適性検査は、コミュニケーションの根本と問題に正対する力が問われるものです。これは、知識量から知識の運用力を問う問題に変わってきた大学受験でも不可欠な力であり、適性検査に対応するための力は決して今だけのものではありません。事実、適性検査で入学した生徒は、STEAM教育と相性が良く、思考力や表現力を伸ばし、目指した大学・学部に進学する力を身につけています。本校の適性検査は、入口と出口がきちんとつながっていると信じて、毎年行っています」

2024年から高校課程にデータサイエンスコースを開設、オンライン授業が行われていた際はGoogleアナリティクスでどこで生徒が離脱したか研究しているお話しなど、ここには書ききれない入試以外のお話しもたくさんお聞きしました。お聞きすればするほど、調べれば調べるほど、多彩な魅力のある学校です。今はネット検索で色々なことがわかる時代ですが、6年間通うことになる学校は、ネット検索で済ませずに、一度は行って肌で感じておくべきで、その機会に最適なのが学校説明会です。さぁ次回の学校説明会の開催日のチェックです。

学校施設紹介ビデオ
https://jsh.shotoku.ed.jp/jhs_admission_policy/school-briefing-video_js/
取材Memo

STEAMと並ぶもう一つのキーワード、グローバル
ホームページに「グローバルという言葉の意味は、国の垣根を越えることです。ネイティブと同じように英語が話せるようになることでもなく、海外旅行をすることでもありません」。こうもはっきりメッセージを送る学校は、なかなかありません。「問題解決を内輪で終わらせない」「真の知識は真の体験から」と、ルワンダなど様々な国での海外研修を行っている同校。途上国の水問題の解決案として、JICAの人にペットボトルを使った浄水器のアイデアをプレゼンして、「そもそもペットボトルは現地にないだろう」と指摘されたのも「真の体験」の一つ。英語も資格取得だけを目標にするのではなく、英語を学びたくなる体験や目標を持たせることも大切といいます。どんなお話しも、なぜそうしているかをお答えいただける聖徳学園は、脈々と息づく“哲学がある学校”と感じた取材でした。



グローバルについてのパンフレット