【和洋九段女子】のトリガークエスチョンの答えをプレゼンするPBL型入試は、日本一入試らしくない入試。

思考力入試

東京メトロ東西線・半蔵門線・都営新宿線九段下駅より徒歩3分、JR線飯田橋駅より徒歩8分。靖国神社、皇居・千鳥ヶ淵に隣接する和洋九段女子中学校。校名に「和洋」とあるのは、明治30年に日本で初めて学校教育に和裁に加えて洋裁を取り入れた「和洋裁縫女学院」をルーツとする学校だからであり、大学も含めた和洋学園は、2022年に創立125周年を迎える、女子教育の先駆けとなる伝統校です。同校では、グローバル教育やICT教育の推進に加えて、PBL型授業を取り入れている学校として有名です。

PBL型授業について教えてください

教頭 新井 誠司先生
※写真撮影時のみマスクを外していただきました。

「PBL(Problem Based Learning)は、日本語では、問題解決型学習と訳されるアクティブラーニングの一つです。 『核抑止力についてどう考える?』『なぜ0で割ることを考えないの?』など、先生からのトリガークエスチョンに対して、生徒は情報を集め、意見交換しながら考えをまとめ、クラスメイトにその考えを伝えるためのプレゼンテーションを行います。和洋九段女子では2016年からPBL型授業を取り入れており、今では全教科をPBL型授業で行なっています。『なぜ』『どうして』という問いかけは、生徒の知的好奇心を刺激し、またクラスメイトと協働して思考を深める学びにより、自分の考えを外に出すことが苦手な生徒も、PBL型授業という安心できる場を得ることで友達と一緒に考えることを楽しみながら発表までたどり着き、大きく成長しています」

今はオンラインでの開催となってしまっていますが、コロナ禍前はPBL型授業の体験会を行なうと、あっという間に募集定員が埋まってしまうほど人気だったといいます。

なぜPBL型入試を導入されたのですか?

「本校のアドミッションポリシーは、『多様な価値観を受け入れ、他者を思いやり、積極的に自分の能力を高めること』です。PBL型授業はまさにこのポリシーを具体化したもので、PBL入試は入学してからの学びをカタチとして表したものです。また1点でも多く点数を取る入試ではない評価軸の試験もあっていいという考えから行っている試験です」

2019年、新タイプ入試としてスタートしたPBL型入試。2020年は、在校生が試験当日にサポートに入り、試験前には受験生と談笑してリラックスできる雰囲気を作り、休憩時間はお菓子を囲んでお茶会、そして試験会場を後にするときはハイタッチ。とても入試会場とは思えない雰囲気だったといいます。

PBL型入試はどのように行われるのですか?

「基本的には、PBL型授業を入試に置き換えたもので、トリガークエスチョン(教員からの問題提示)に沿って個人で意見を考え、グループディスカッションを経て、採用された意見をグループ全体でよりよいものにしていき、最後に全体の前でプレゼンテーションを行います。2021年度入試のトリガークエスチョンは『2045年AIと「ともに」作る理想の未来とは?』でした」

PBL入試の試験風景

PBL型入試が目指していることは?

「教科試験は当日自分の力だけで合格を勝ち取るものですが、PBL型入試は受験生が皆で協力し合って合格を目指そうという流れになっており、当日に初めて会った受験生同士が協働して、心からつながって喜びあって成長し、試験なのに笑顔があふれている、そんな『日本一入試らしくない入試』を目指しています」

『日本一入試らしくない入試』の採点基準は?

「間違ったことを言っても減点されることはありません。できたことを積み重ねていく加点法です。具体的には、『率先して自分の意見を言えるか【積極性】』『順を追ってわかりやすく説明できるか【論理性】』『他の人が思いつかないような視点で考えられるか【創造性】』『同じグループのメンバーと協力できるか【協働性・コミュニケーション力】』『相手を批判せず、良い点を見つけ、それを伝えられるか【他者の尊重】』『わかりやすく、表現力豊かに発表できるか【プレゼンテーション力】』などを評価し、PBLの過程すべてが点数化されていきます。またPBLには『相手の意見を批判しない』『意見を聞いたら拍手をしよう』というルールがあり、安心して発言できる場が作られています」

PBL型入試はどんな受験生に受験して欲しいですか?

「皆で話し合いを行うことが好きな人、皆で協力して一つのものを作り上げていくことを目指していきたい人などです」

※写真撮影時のみマスクを外していただきました。

PBL型入試の受験対策は、どういうことをしておくと良いでしょうか?

「クラスの友人やご家族と身近にあるテーマに沿って話し合いをしてみると良いと思います。その際、自分の意見は『なぜか』を示しながら話すこと。相手の意見を聞く時は、自分と違う意見であってもまずは受け止めてみることを大切にしてください」

和洋九段のPBL型入試が、 『日本一入試らしくない入試』といわれるのは、入試が「試験」というより「入学後の学びの体験」となっているからではないでしょうか。しかしながら、体験は入試本番よりその前がいいので、まずは体験会にご参加を。(コロナ禍ではオンラインでの体験となることもありますが、体験することで感触・相性は確かめられます)

教えて!学校のこと 試験のこと

「PBL型入試」を受験した生徒さんがインタビューに答えてくれました。ぜひ参考になさってください。

左がR.Mさん、右がC.Iさん

Q. 和洋九段女子のことはどこで知り、印象はどうでしたか?

・お母さんから教えてもらって学校説明会に参加しました。印象は制服がかわいいなと思いました。(C.Iさん)
・学校が集まる説明会に参加して、パンフレットや話してくださる先生が明るくて和洋九段がいいなと思いました。(R.Mさん)

Q. なぜPBL型入試を受けてみようと思ったのですか?

・どういう試験かを教えてもらい、発表をする試験なら話すのが好きなので受けてみようと思いました。(C.Iさん)
・学校説明会に参加してPBLも2回ほど練習に参加して、友達と話したり自分の意見を言ったり、人と関わるのが好きなので、これは私にあってるなと思ったからです。(R.Mさん)

Q. 実際にPBL型入試を受けてみてどうでしたか?

・最初は自己紹介から始まって、他の受験生と話して、答えを探していくのが楽しかったです。(C.Iさん)
・国語や算数の試験と違って、話すことで受験できるので楽しく受験することができました。今年のトリガークエスチョンは、AIと人はどう関わっていくかということでした。私は微笑んだりすることができないAIに介護ができるのかということを考えました。(R.Mさん)

Q. PBL型入試に向けて何か準備をしましたか?

・コロナの問題が出るかと思ってニュースを見たりしていました。コロナは本問ではなく練習問題でしたが、ニュースを見て自分の考えをまとめるトレーニングになったと思います。それとわからない言葉が出てきたらその都度調べることも大切です。(C.Iさん)
・小学生のとき、友達と話し合って何かを決めるとき、積極的に手をあげたり発言したりすることを意識して行っていました。(R.Mさん)

PBLではメモを取ることも重要なポイント!
これはR.Mさんのメモ(抜粋)。誤字もありますが、減点にはなっていません。

Q. 和洋九段女子に入学してどうですか?

・友達がみんなテンションが高くて明るくて楽しいです。(C.Iさん)
・ずっと笑いが絶えないクラスなのでとても楽しいです。(R.Mさん)

取材Memo

日本を学ぶ「Japanology」
外国に行って自分の国のことが答えられない、話せない。日本人にはよくあることです。英語教育に力を入れている和洋九段女子では、日本の文化への理解を深めるために、礼法(小笠原流)・茶道・華道のほか、日本が抱える諸問題や現状を学ぶ時間があるといいます。文化は、まず触れてみること、感じてみることが大切です。高校3年生が体育祭のラストに踊る「扇の舞」も含め、PBL型授業という先進の学びをしながら文化も大切にする姿勢は、とても素晴らしいことだと感じました。