多摩大学附属聖ヶ丘中学校の適性型入試で、「好き」「やってみたい」が見つかる、ワクワク感と自由度いっぱいの学びの世界に!

適性検査型入試

1988年に創立した多摩大学附属聖ヶ丘中学校は、自然豊かな環境にある1学年約120人の「こじんまり」した共学校です。自由度の高い探究や、ユニークなカリキュラムが魅力の学校ですが、その原動力となっているのが「熱い先生たち」の存在。今回は、学校案内だけでは語りきれない、先生方の熱い想いや、適性型入試について、入試対策部副部長の村井先生にお話を伺いました。

入試対策部副部長 村井優友先生

先生方の合言葉は「先生が楽しまなくては、生徒も楽しめない」とのことですが、実際どのようなことに取り組んでいらっしゃるのですか。

夏休みに中学生を対象に行われる探究講座「A知探Q」は、本校の自由度を象徴する講座です。全教員が自分の担当教科の枠を超えて取り組んでおり、毎年のようにユニークな講座を開催しています。2023年度には、K-POPダンス、麻雀、登山、ビリヤード、和菓子づくり、オリジナルクラフトコーラづくりなどが行われ、一見学びとはかけ離れた内容ばかりですが、ここで経験したことが、あとあとの学びのヒントになったり、各自の好奇心につながることも多いんですよ。

先生方も個性派揃い!

先生方の準備も大変ではないですか?

楽しく安全に講座を行うには、入念な下調べや事前準備が欠かせませんので、それはもう大変です。私は物理が専門で、オリジナルクラフトコーラづくりを担当したのですが、コーラづくりに欠かせない香りづけのための香料(スパイス)の種類・分量について事前に何度も実験しました。本校には、自分も楽しみながら生徒が面白がることをやろう、という共通認識が根付いているので、準備段階から皆楽しんで取り組んでいます。

そうした方針は、普段の授業にも反映されているのでしょうか。

もちろんです。教科書のままの授業をやっていると、校長に怒られます(笑)。社会科などの資料はすべて教員の手作りですし、理科も中学の3年間で100の実験を目標として取り組んでおり、週1ペースで実験をしています。国語、数学、英語でも各教科ごとに工夫があり、全教員が伸び伸びと指導できています。

2024年夏に完成したばかりの物理室。実験が行われる
理科室は、生物室、化学室、物理室の3つがあります

生徒さんたちの反応はいかがですか。

面白がってやってくれます。中1で行う水素の爆発実験などは、通常ですと、小さな試験管を使用してちょっとポンとなる程度なのですが、それだと爆発感がないので、本校では水素爆鳴気で本当に爆発させます。といっても破損しませんので、安全に実験できます。中1の時点では、水素爆発の仕組みそのものは理解できず、すごかった!という印象で実験が終わるかもしれませんが、その後自分で調べたり、化学を学んだときに、あの時の水素爆発実験は、こういうことだったんだ、と理解してくれたらいいと思っています。

教科書の枠を超えての学びが多いとのことですが、基礎はどのように養っていくのでしょうか。

教科書の内容はすべての基礎ですから、そこを飛ばすことはありません。基礎はしっかり押さえたうえで、生徒が興味深く取り組めることを行うのが、本校の学びの特徴です。少人数制で一人ひとりに目が行き届く環境だからこそ、基礎力を着実に養うことができるのです。

適性型入試について教えてください。

2月2日に、作文型(適性Ⅰ)と。資料型(適性Ⅱ)の適性型入試を行っています。都立の共通問題に準じた作問となっていますので、都立対策をしていれば大丈夫です。2月3日に行われる都立受検生のために、2日中に合否をお知らせしますし、それぞれの答案に対するアドバイスも書き添えてお返ししています。合否だけでなく、アドバイスや応援メッセージも入れるため、採点は大変ですが、こうした細やかさこそが本校のスタンスです。入学後もこのスタンスは変わりません。生徒のノートやプリントは教員が入念にチェックし、丁寧なアドバイスを書き込んでいます。

適性型入試の回答に書き添えられたアドバイスの一例

適性型入試を経て入学した生徒さんの特長は?

好奇心旺盛な生徒が多いですね。適性型で入学した生徒は、中1では同じクラスで学びます。授業中の集中力が高く好奇心も旺盛で定期試験の平均点も高いんですよ。行事や部活動にも積極的に参加し、学校を楽しんでいるのがわかります。追いかけてみると、6年後の大学入試でも、自分の目標を達成できている生徒が多いです。

受験生へのメッセージをお願いします。

適性型の試験対策としては、自分が書いた作文をしっかり見直す習慣をつけてほしいと思います。具体的には、1回見直すだけではなく、2回見直してほしい。改めて冷静になって見直すと、自分が書いたものを客観的に見ることができるようになるからです。
本校の場合、適性型入試で入学する生徒も増えていて、ほとんどが事前に本校の説明会に参加しています。本校が第1志望ではなくても、この学校が好き、楽しそうだから、と納得したうえで入学する。入学後のミスマッチを防ぐためにもその気持ちはとても大切です。
先ほどもお話したとおり、本校は基礎を大切にしながらも、自由度の高い聖ヶ丘オリジナルの授業や探究を行っています。それを面白がって、いろいろなことに興味を持ちながら、自分のやりたいことを見つけてくれる生徒たちに、私たち教員も全力で寄り添っていきたいと思っています。

教えて!学校のこと 試験のこと

適性型入試を受験し、入学したS.SくんとS.Hさん(ともに中学1年生)

Q1.中学受験しようと思ったきっかけを教えてください。

S.Sくん 何となく中学受験したいなと思い、5年生から塾に通い始めました。第1志望は公立の中高一貫校でした。
S.Hさん 塾には2年生から通い始めましたが、中学受験を意識し始めたのは4年生からです。地元の中学校は部活が少ないので、部活も盛んで楽しそうな都立の中高一貫校を第1志望に、適性検査型の勉強を始めました。

Q2.どんな勉強をしましたか。

S.Hさん 作文が苦手だったので、作文の組み立てから学び、何度も練習しました。そのかいあって、5年生の冬ごろから、点数が急に伸びてきました。
S.Sくん 第1志望の学校は作文の配点が大きかったので、僕も作文対策には力を入れました。ニュースなどは家でご飯を食べるときに習慣的に見ていたので、今どんなことが話題になっているのかは自然に把握できていました。

Q3.多摩大聖ヶ丘を知ったきっかけは?

S.Sくん 母に勧められました。説明会に行ってみて、何となく自分に合うな、という印象を持ちました。学校もきれいだし、こじんまりしているところがいいな、と。
S.Hさん 塾の先生と面談をしたときに、いくつかの学校のパンフレットを見せてもらったのですが、一番印象に残ったのが本校でした。気になって説明会に参加。すごく楽しそうな学校だな、と思ったことをよく覚えています。

Q4.受験本番当日はいかがでしたか。

S.Hさん ここの過去問は1回くらいしかやりませんでしたが、適性検査試験対策はずっと頑張っていたので、リラックスして受験できたと思います。
S.Sくん 2月1日に、適性検査型で私立校を2校受けたんですが、1校落ちてしまったのがすごくショックで絶望していました。でも途中から気持ちを切り替えて、「頑張れば大丈夫」という気持ちで受験しました。

Q5.結果的に多摩大聖ヶ丘に入学することになりましたが、そのときの気持ちは?

S.Sくん 第1志望合格まであと一息という感じだったので、すごく悔しかったのですが、ここは見学に来た時にいい印象を持っていたから、納得して入学を決めました。
S.Hさん ここは第2志望でしたが、行きたいと思える学校だったので、スパッと気持ちを切り替えました。第1志望がダメだったことで、逆にここでもっと頑張ろうと思いました。

Q6.この学校のどんなところが好きですか。

S.Hさん 小学校の頃は先生と話すのが苦手だったのですが、ここは先生たちがとてもフレンドリーなので、いつの間にか先生と気軽に話せるようになりました。水泳部の先輩たちもすごく明るくてやさしいです。行事は9月の文化祭がとても楽しかったです。グループで、記念写真撮影用のパネルを作ったのですが、意見交換も活発で、全員参加でいいものが作れたと思います。
S.Sくん 先生も友人も明るくてノリが良くて大好きです。先生とも、しょっちゅうどうでもいい話とかをして、笑ったりしています。僕は、天文部に入っているのですが、夏の合宿が楽しかったです。学校に一泊して、夜通しみんなで流星群の観察をしました。

Q7.勉強面はいかがですか。

S.Sくん 理科の実験が多くて楽しいです。実験室もすごくきれいです。あと、小学校のときは算数が苦手だったのですが、授業がすごくわかりやすいので苦手意識がなくなりました。友人ともよく教え合っています。
S.Hさん 私も理科の実験がとても楽しいです。実験器具も揃っているし、じっくり時間をかけて実験できるから理解も深まります。

Q8.適性型入試の勉強は、どのようなところに役立っていますか。

S.Sくん 適性型は、ひとつの問いに対していろいろなことを考えて解答に結びつけるから、どんな教科にも役立っていると思います。僕の場合は、数学や理科でとくに役立っている気がします。
S.Hさん 文章を書く訓練をしてきたから、国語などではすごく役立っています。問題を正しく読んで、自分の言葉で表現できるようになりました。

Q9.受験生にメッセージをお願いします。

S.Hさん 今は勉強がとても大変だと思うけれど、入学したら本当に楽しいことがたくさん待っています。想像していた以上に楽しい学校生活になると思いますよ!
S.Sくん 受験のときも他校よりもリラックスして受けられる雰囲気の学校です。今思えば、学校全体でそんな雰囲気づくりをしてくれていたのかな、とも思うんです。入学したら友人もすぐできるし、先生も本当に明るくて楽しいです。

取材Memo

生徒と先生の笑顔があふれている学校
職員室前で生徒と先生が笑いあっていたり、何やら相談していたり。これほどまでに職員室周辺に生徒と先生の笑顔があふれている学校は初めてです。少人数でほんわかした学校とのイメージを抱いていましたが、実際に訪れて先生の話をお聞きすると、アットホームさに加え、私学ならではの自由度を最大限に活かしたワイルドさも感じられる学校でした。理科はとくに、恵まれた環境で「かなり身体を張った実験」(先生談)を行うせいか、高校卒業後、理系に進んだ卒業生は、実験器具の使い方も上手で、臆することなく高度な実験に取り組んでいるそうです。ぜひ一度訪れて、いい意味でのぶっ飛び感を体感していただきたい学校です。