【藤村女子】のナゾ解き入試は、全集中の「気づき力」で挑戦する知的冒険。

思考力入試

“文化”と“自然”と“世界”がほど良く調和する街、吉祥寺にある藤村女子は、昭和7年に女性の体育指導者の先駆けとされる藤村トヨ先生が「心身ともに健全にして、知・徳・体を兼ね備えた個性豊かな女子の育成」を建学の精神に創立した学校です。

過度の勉強で健康を損ない夢を挫折したことから心身の健康に目覚めた藤村トヨ先生は、日本で2番目に女性として体育の教員免許を取得。東京女子体育大学の設立にも加わり第四代校長を務めました。そのような関わりから藤村女子は東京女子体育大学の姉妹校となっています。

そんな藤村女子はスポーツが強い学校というイメージがありますが、現在90周年に向けた学校改革が進められており、その中でナゾ解き入試が生まれました。話題性で取り上げられることが多いナゾ解き入試ですが、「新タイプ入試ガイド」ではそこに込められた狙いに迫りました。

なぜナゾ解きを入試に採用したのですか?

入試広報部長 芦澤 歩夢先生

「今はインターネット検索でほとんどの答えを見つけることができ、また今後はAIがどんどん生活の中に入ってくることを考えると、これからの時代は全員が同じ教科書で学んだ知識を使って生きていくのではなく、自分なりの考え方で問題解決する力が大切になってくると思うのです。ナゾ解きを遊びやゲームと捉える方もいらっしゃるかと思いますが、ナゾ解きは自分が持っている知識と思考の引き出しをいろいろ開けて答えに辿りつくルートを探すもので、そこには個性が現れますし、何より考え続ける持久力が必要とされます。偏差値を学力・応用力によるものとするなら、ナゾ解きは分析力と想像力であり、これからの学校は一人ひとりのそういう部分を育てる場になっていくのではないかと思ったからです。」

ナゾ解き入試の魅力って何でしょうか?

入試広報副部長 江口郁海先生

「不思議なことに、学びましょうといってもやらない子もナゾを解きましょうというととても前向きに取り組んでくれます。“問題”ではなく“ナゾ解き”といった瞬間に、試験というより知的チャレンジに変わって、誰もがやってみたくなる。ナゾ解きには、試験のハードルを下げる効果が確実にあると思います。その一方で、ナゾ解きは導き出したA=B=Cということをそのまま繋げても答えにはならず、それをどう統合するか、頭をフル回転させて考える力が必要となり、実はやっていることはとても高度なものです。そんなナゾ解き力は、これからの社会で生き抜く力になると考えています。このナゾ解き入試をきっかけに、豊かな想像力や個性を磨く楽しさに気がついてほしいと思っていますし、それが最大の魅力だと思っています。」

ナゾ解き入試の評価(採点)ポイントは?

「はじめての取り組みでしたので試験問題は既存の脱出ゲームやナゾ解きをベースに組み立てましたが、採点につきましては学校の先生方とかなり討議を繰り返し、学校の先生方に決めていただきました。脱出型は、「発想力」「会話力」「考察力」「行動力」「洞察力」の5つの観点に分け、例えば、行動力であれば、封筒を開ける、問題を配る、その回答を取りまとめる、移動をする際にみんなに声をかけるなど、想定される行動を洗い出し、それに対する加点を用意し採点を行っています。」とは、協同開発をした株式会社SCRAPの横手さん。

入学後にナゾ解き力を育てる授業は?

「自己探求というオリジナル授業でエンターテイメント論の講義を行なっています。そこでは子供たちに人生を豊かにするために感情を動かすことはとても重要で、AIにはできないことだよねと問いかけています。では感情を動かすってどういうことかといえば、ナゾ解きって楽しかったよね。気持ちが動いたよね。それはなぜなのか探ってみよう。SCRAPさんにも聞いてみよう。探ってみたら、自分たちでナゾ解きを作って文化祭で発表しようとなり、現在進めています。」

教育にナゾ解きを取り込むメリットはどこにあるのでしょう?

株式会社SCRAP 新規事業・オンライン事業部 マネージャー 横手大地さん

「ナゾ解きには、ゲーム性、エンターテイメント性があって知的興奮を起こし、吊り橋効果でその場に一緒にいる仲間と仲良くなるといわれています。そんなナゾ解きを本格的に授業に取り入れている事例は、世界を探しても見つからなかったのですが、教えられたことで解くのではなく、自分の視点で解けたから楽しい!だからまたやりたい!となるナゾ解きは、教育ツールとして非常に親和性があり、考える力の最前線にあるものだと思っています。」

ナゾ解きの魅力って何なのでしょう?

「何かを発見するとき、何か変だなという違和感があります。ナゾ解きもその違和感がとても大切で、そこに気づき、それを解決することが答えにつながります。学校の教科書では、こう見なさいこう覚えなさいということが優先されますが、社会にでて今までにないモノやコトを発明する場合は、まず違和感がスタートラインになることが多いのです。どうしてリンゴは落ちるのだろう。どうして掃除機は吸引力が落ちるのだろう…etc。もちろん何かの発明者になることを求めているわけではありませんが、違和感に気づけることが、これからの時代を生きていくには必ず必要となる力だと思っています。ナゾ解きの1番の魅力、それは『気づき力』といってもいいのではないでしょうか。」

ナゾ解きがワクワクする知的好奇心を刺激して、学びを楽しいものに変えていく。違和感に気づくことから発見は始まる。たどり着く答えは同じであっても、たどり着くまでの道筋は人それぞれでそこに個性があるなど。今回は非常に多くのことを学ばせていただきました。「教育×ナゾ解き」が切り拓く新たな世界。そこには、計り知れないポテンシャルが秘められていると思いました。

教えて!学校のこと 試験のこと

「ナゾ解き入試」を受験した生徒さんがアンケートに答えてくれました。ぜひ参考になさってください。

Q1 藤村女子をどこで知りましたか?

・クラブチームでバスケットボールをしていたので、インターネットでバスケットボールが強い学校を探して知りました。(K.Sさん)
・知り合いにすすめられました。先輩たちも楽しそうなのでいいなと思いました。(R.Yさん)

Q2 「ナゾ解き入試」をどこで知り、なぜ受けてみようと思いましたか?

・謎検3級を受けてみてあまりいい結果ではなく、一般入試も受けるので迷っていたのですが1週間前にやっぱり受けてみようと思いました。(K.Sさん)
・塾に通って勉強をしていましたが、「ナゾ解き入試」は、他の学校にない楽しそうな試験なのでぜひ受けてみたいと思いました。(R.Yさん)

バスケットボール部のK.Sさん

Q3 「ナゾ解き入試」を実際に受けてみた感想は?

・筆記の方はイメージ通りで結構できたと思います。脱出型の方は6人のチームだったので役割がたくさんまわってこず、もっとアピールしないとダメなのかなと思いました。ただ最後の問題は私が見つけたので「やった!」と思いました。それと共同作業だったので試験なのに友達がつくれたのがよかったです。(K.Sさん)
・筆記は難しかったです。脱出型の方が迷路を脱出するのかと思っていたら、みんなと話しあって解決していくものだったので想像していたのとちょっと違いました。最後の方で文字が浮き上がってくる問題がとても印象に残っています。(R.Yさん)

Q4 「ナゾ解き入試」をひと言で言うと?

・自分の世界を広げてくれるもの。(K.Sさん)
・友達と一緒に取り組むコミュニケーション。(R.Yさん)

Q5 入学して1ヶ月の感想は?

・学校なのに堅苦しい感じがしないです。(K.Sさん)
・吉祥寺は都会なので教室とか狭くて少ないんじゃないかと思っていたのですが、それよりも迷路みたいな校舎に驚いています。(R.Yさん)

バドミントン部のR.Yさん

Q6 将来の夢はなんですか?

・バスケットボールの選手です。(K.Sさん)
・美容師です。髪を切った後の喜んでいる顔が見たいです。(R.Yさん)

Q7 来年の受験生へのアドバイスもしくはメッセージをお願いします。

・小学校で学んでいる基礎をしっかりやっていれば大丈夫です。(K.Sさん)
・最初は緊張するかも知れませんが、普通に人と話せれば大丈夫です。(R.Yさん)

※先生も生徒さんも写真撮影時のみマスクを外していただきました。

取材Memo

発想力やコミュニケーション力、プレゼン力を育む「ふじ活」
藤村女子では、吉祥寺という場所を活かし、街に出て職業体験やオリジナルTシャツの販売、井の頭公園観察実習などのフィールドワークを行なっています。現在はコロナ禍で活動はできていませんが、地域を巻き込んだオリジナルプログラムを実施していきます。90周年に向けて学校改革が進められる藤村女子。これからどんなナゾ解きが行われ、どんな「ふじ活」が展開されるのか。その動向は今後も目を離すことはできません。