【宝仙学園】の「公立一貫」は、適性検査型の面白さを追求した入試。

適性検査型入試

教育は指導ではなく支援という考えの名物校長。11タイプを数える多彩な入試。「プレイヤーは生徒。教員はコーチ。保護者はサポーター。卒業生は後輩のために一肌脱いでくれる兄貴と姉貴。学校はその構成員たちが、それぞれの持ち場で貢献し合うプレイヤーズ・ファーストの『知的で開放的な広場』」という考え。理数的思考力に基づくコミュニケーション力と自由な発想を表現するプレゼンテーション力で、答えのない学びに挑む新教科「理数インター」など。宝仙学園は、多彩な魅力で1000名の受験生を集め、700名が受験し100名が入学する、もうすぐ生徒が校舎に入りきれなくなる!?という人気校。今回は公立一貫型(適性検査)入試についてお聞きする2度目の取材でしたが、今回も予定外の生徒さんが参加。「生徒になんでも聞いてください」「いいことも悪いことも自由に書いてください」という何でもあり!?の宝仙イズムと対面する取材となりました。

右からK.Sさん、S.Hさん、I.Yさん(中学3年生)

取材は公立一貫型で受験したK.Sさんにお聞きすることから始まりました。

中学受験はいつ頃から考えはじめましたか?

K.Sさん「塾に通っていて小学校5年生最後の成績表に『受験はいかがでしょう』と書いてあってそれで中学受験を考えはじめました。その時はどこの学校を受けようというのはありませんでした」

宝仙学園をどこで知りましたか?

K.Sさん「お母さんが見つけてくれました。宝仙はプレゼンテーションだったり人前に立って発表する機会が多いと聞き、塾でも発表が好きだったので自分にあってると直感的に思いました」

生徒が活躍することが評判の説明会に行きましたか?

K.Sさん「都立受験に絞っていたので行っていません」

あまりよく知らない宝仙を選んだのは?

K.Sさん「都立がダメでギリギリまで公立に行くか宝仙に行くか迷いましたが、部活に専念したり高校受験をしたくなかったので宝仙に行くことにしました」

宝仙に入学していかがですか?

K.Sさん「自由度が高く先生と親しみやすいところとか相性が良かったです。学校には模試で一回来たことがあったのですが、入学時の印象は、校舎が複雑!最初は友達が一人もいなかったので公立が羨ましかったのですが初日に話しかけてくれた子がいてすぐに慣れました」

公立一貫型(適性検査)の試験はいかがでしたか?

K.Sさん「試験問題はぜんぜん覚えてなくって、入試の手伝いをしている時に過去問を見たら、そうそうこんな問題だったなぁと思い出しました。話をつくるのが好きなので作文はできたのではないかと思います」

宝仙はどんな学校だと思いますか?

K.Sさん「険しい感じでもまっさらな感じでもなく、自由でラフで活気ある学校だと思います。個性的な子が多い学校だとも思います」

宝仙は他の学校と違う点は?

K.Sさん「私も先輩にすすめられて参加しているのですが、多くの部分を生徒が行う学校説明会でしょうか」
と、ここで友達が2人現れます。呼ばれてはいないが友達がどうしているか、気になることは放ってはおけないというのが宝仙イズム。

お二人も出演しますか?

S.HさんI.Yさん「はい」

S.Hさんは、なぜ宝仙を選ばれたのですか?

S.Hさん「宝仙は第一志望ではなかったのですが、パンフレットを見て大学生が話していた『宝仙は生徒の主体性を大事にしている点と先生との距離が近い』という点に惹かれて選びました。試験は公立一貫で受けました」

I.Yさんは、なぜ宝仙を選ばれたのですか?

I.Yさん「学校説明会の校長先生の話を聞いて面白そうだなと思って選びました。試験は4科で受けました」

S.Hさんは宝仙に入学していかがですか?

S.Hさん「グローバルコースがあり、いろいろな国の人と交流できる学校だと思います。また学級委員とかその他にもグループのリーダーになれる機会が多く、体育祭も生徒が中心になってすすめるので、主体性が磨かれる学校だと思います」

I.Yさんは宝仙に入学していかがですか?

I.Yさん「思ってたより想像以上にいい学校だなと思っています。小学校の時は先生が決めたことをやるのが当たり前だったのが、宝仙では自分から何かをしに行くという感じに思考がガラッと変わりました」

入試問題で印象に残った問題はありますか?

S.Hさん「金魚の問題?二重丸の中に金魚がいて、、、」
K.Sさん「図を書いていいですか?」

黒板に図を書き出すK.Sさん

S.Hさん「あった!金魚じゃなくて、おたまじゃくしの問題だよ」

自分たちが受けた入試問題を仲良くチェックする三人。
ひとしきり自分たちが受けた問題で盛り上がります。

↓実際の問題はこちら!

※クリックで拡大します

試験についての取材なので、試験についてお聞きしたいのですが、試験のことを覚えていないのでは聞けません。ただ宝仙の生徒さんは、自分のことを話せる生徒さんが多く、最後に将来の夢と受験生へのメッセージを聞きました。

将来の夢は何ですか?

S.Hさん「英語力をつけて医療系に進みたいと思っています。そのためにもカナダに留学したいです」
K.Sさん「行動力があまりないので、あえて自分から知らない世界に飛び込んでそこで何かを見つけてみたいです。アメリカには行ってみたいです」
I.Yさん「2つあって、一つは獣医です。5年前に飼ってた犬が死んでしまいその時に獣医になりたいと思いました。もう一つは、職業がわからないですが企画を立ててプレゼンをする仕事をしてみたいと思っています」

これから宝仙を受験する人へのメッセージをお願いします。

K.Sさん「受かりたいと思って志願した人ではなく何となくここかなと思って受験して入学した人が多いので、難しいことを考えずに楽な気持ちで受けてくれればいいと思います。そうすれば楽な気持ちでスタートが切れると思います」
S.Hさん「主体性を持ってリーダーになりたい人もそれをサポートする仲間もいるから何かの時に力が出せる学校だと思います。どんなタイプの人にも居場所がある学校だと思います」
I.Yさん「親も最初は心配していたのですが、第一志望じゃなくても心配せずに全然大丈夫。先生との関係だったり、友達との関係だったりとかも全然大丈夫。すぐに充実した学校生活が送れます」

友達が乱入。作文は自分でストーリーをつくって遊ぶ人形遊びが有効。入試問題を考えてみたい。今でも校内で迷う。自動販売機をあそこに置いて欲しい。もっとバリアフリーになどなど。試験の話より、生徒さん自身の話や学校についての取材となってしまいました。それが宝仙らしいのですが、生徒さんへの取材後、先生へ「宝仙イズムというか宝仙らしさはどこからくるのでしょう?」と尋ねた際の話は、「昔は偏差値指向だったのですが、それだと生徒も先生も疲れてしまい成果も思うように出ませんでした。そこで自己肯定感を持たせ、失敗しても大丈夫、好きなことを好きなようにやって評価される経験を持たせよう。教育的にどうなのかより、生徒を信じてやらせてあげる。そこから来るのかもしれません」かなり要約していますが、そんなお話だったように思います。

取材した3名は図らずも第一志望校に受からず、はじめての失敗を味わった生徒さんたちでした。先生は第一志望校にして欲しいとおしゃっていましたが、宝仙イズムの「若い時の失敗はどうにでもなる」は、実は入学時から始まっているのではないでしょうか。

取材Memo

理数インターは授業じゃない!?
理数インターのために用意された教室でiPadを使い、既存の教科書は使わず、サイエンス教育、ICT教育、グローバル教育の要素を入れ、答えのない問いに対し、教員によるチーム・ティーチングを行う理数インターという新教科。説明するとこうなってしまいますが、生徒たちはどう思っているのか。尋ねてみると「リラックスできる」「あれは授業じゃない」「企画を立ててプレゼンをする楽しい時間」という答え。12年前に教育改革の一環として導入された新教科は、驚くほど自然なカタチで生徒たちの中に根づいています。きっとその12年間には紆余曲折、試行錯誤もあったことと思われますが、そんなことより笑顔でGO!みたいな、何でもありなのにきちんとしてる、宝仙マジックを感じる生徒たちの答えでした。