【跡見学園】の思考力入試は、さくらさんの疑問を一緒に考え、自分の思考を表現する入試。

思考力入試

東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅徒歩2分。交通至便な文教地区にある跡見学園中学校は、明治8年に学祖、跡見花蹊によって開校されました。大学も擁する同学園は日本人が設立した最古の女子教育機関であり、2025年に創立150周年を迎えます。そんな歴史ある跡見学園には、皇室の方も多く通われ、「ごきげんよう」のあいさつの発祥校として知られています。

歴史ある伝統校である一方、教育環境や社会の趨勢に対応していく同校では、2018年に「将来構想プロジェクト」を立ち上げ、目指す生徒像を「自らの美意識のもとに新たな価値を生み出し、周りを幸せにする女性」とし、その実現のための教育ビジョンとして「跡見流リベラルアーツ」「本物の美の探求」「探究型創造学習」の3つを掲げています。入試についてお聞きする前に、これからの跡見学園の将来構想について、中島輝賢先生にお聞きしました。

教諭 中島 輝賢先生
※写真撮影時のみマスクを外していただきました。

「将来構想プロジェクト」の取り組みについて教えてください。

「本校には和室(作法室)があり、中学校では定期的に『お作法の時間』を設けて、ふすまの開け方やお茶のいただき方、挨拶の仕方、習字(学祖・跡見花蹊が書家でもあったため)を学び、日本人として恥ずかしくない作法や文化を身につける教育を行なってきました。これは跡見学園の長い歴史の中で培ってきたアイデンティティの一つであり、将来構想プロジェクトでは、『あいさつをする』『一礼をする』といった伝統は変えずに、ICTや英語教育といった時代が求めることをその上にのせていく。不易流行と言いますか、普遍的なアイデンティティは変えずに世の中の流れを鑑みて、理解の仕方、発表の仕方、表現の仕方を変化させながら、跡見学園らしいこれからの時代を生きていくための知識や技術、教養を身につけて未来を切り拓く教育に取り組んでいます。新しい未来へのプロジェクトですので、若い教員がリーダーとなって進めています」

跡見学園への入口の一つとなる思考力入試について教えてください。

「本校では、大学入試改革や適性検査試験など入試環境の変化から、一般入試、特待入試、思考力入試、英語コミュニケーション入試、帰国生入試と、多彩な入試を行なっています。その中で思考力入試は教科にとらわれずに、これまでとは違う、好奇心、思考力、判断力、表現力をバランスよく持った児童と出会いたいからはじめた入試です」

思考力入試は、どんな問題が出題されるのでしょうか。

「今年で5年目になりますがここ3年間は、主人公に校章から名付けたさくらさんが登場し、さくらさんが調べ学習をしていく物語に沿って設問があり、それに解答していく流れのテストになります。例えば、跡見学園中学校に入学したさくらさんが、学校生活の中で出会った『ごきげんようという挨拶ってなんだろう?』という疑問に対しての資料があり、その資料をさくらさんと一緒に読み解きながら設問に答え、最後の設問は『これからオリンピックで日本を訪れる外国の人の方に『ごきげんようを伝えるマークを作ってみよう』という設問で締め括られる入試問題になります。このような思考力問題が試験時間50分で行われた後に、試験時間30分の基礎学力を問う漢字力・計算力の試験があります」

桜の校章は、学祖・跡見花蹊が、明治天皇のお后・昭憲皇太后より
名前にちなみ「桜」の「おしるし」を受けたことから。

思考力入試の採点はどのように行われるのでしょうか。

「思考力問題が150点、漢字力・計算力問題が50点の計200点で考査されます。記述など正解のない思考力問題は、ルーブリック評価で採点しています」

思考力入試の受験対策はどのようなことをしておくと良いでしょうか。

「調べ学習にしっかり取り組み、広い興味を持って情報に接し、深く考えたらそれを表現する練習をすると良いでしょう。知識は不要ですので、資料を分析する力や、考えたことを記述や図表で表現する力をつけると良いとでしょう。また結果よりもプロセスを重視した、考えの流れをなぞるような出題なので、どうしてそう考えたのかがわかる解答を心がけてください」

思考力入試はどんな受験生に向いていますか?

「柔軟な思考力を持ち、積極的に自己表現ができる受験生に向いている入試です。受験は大変なことも多いと思いますが、うまくストレスを発散して、チャンスにチャレンジして欲しいと思っています。そして合格した際には跡見学園で思う存分自分の可能性を伸ばして欲しいと思ってます」

教えて!学校のこと 試験のこと

「思考力入試」を受験した生徒さんがインタビューに答えてくれました。ぜひ参考になさってください。

体操部のS.Uさん(中学2年生)

Q. 跡見学園のことはどこで知りましたか?

・友達と跡見の近くによく来ていて、跡見の生徒さんをよく見かけていていいなと思っていました。(S.Uさん)
・母が私の性格にあった学校をいくつかピックアップしてくれて、その中に跡見がありました。(T.Hさん)

Q. 思考力入試を受けてどうでしたか?

・日常生活の中での問題だったように思います。「ごきげんよう」のマークを作ってみようという問題は印象に残っています。私は「ごきげんよう」が朝も昼も夜も使える挨拶なので、一日中使えるマークを考えました。(S.Uさん)
・私は都立の受験対策をしていたので思考力入試を受けました。教科の暗記型の試験だと、自分で考えるという自分らしさがなくなってしまうので、自由に考えられる試験の方が好きです。試験が終わった時は、美術の作品を一つ作ったような感じがしました。(T.Hさん)

試験の答案づくりはまるで美術作品を創りあげるように感じたというT.Hさん(中学2年生)

Q. 跡見学園に入学してどうですか?

・毎日楽しいです。私は体操部なのですが器具も揃っていて、部活動が充実していると思います。学習面では、解答を丸写しにすることがなくなって、自分でできる限り考えて、何回間違っても正解にたどり着くまで自分で解ききりたいと思うようになりました。(S.Uさん)
・いろんなタイプの先生がいて面白いです。数学ではこの問題の解き方は一つじゃないから別の方向から考えてみようという先生がいて、それ以来、答えを見ないで別の解を考えてみるようになりました。(T.Hさん)

Q. 将来の夢はなんですか?

・父が偏頭痛持ちなので、薬をつくる仕事につきたいです。(S.Uさん)
・幼稚園のとき自分の家ができていくのを見るのが好きでよく見ていました。内部構造を見るのが好きなので、将来は建築家になりたいです。(T.Hさん)

Q. 来年受験される受験生にアドバイスやメッセージをお願いします。

・日常のことに疑問を持つようにしてわからないことは調べ、さらにそれに対して自分の意見を考えるようにするといいと思います。(S.Uさん)
・試験は採点する人にわかるように答案を書くことが大切です。誤字がないことはもちろん、文章の構成も読みやすいようにすることが大切だと思います。(T.Hさん)

取材Memo

本物に触れる教育
本物を体感することが感性を磨き、心を豊かにするという考えから、跡見学園では、毎年東京芸術劇場などのホールを借りて、オーケストラ、バレエ、オペラなど、世界で活躍するアーティストを招いた鑑賞会を行っています。便利なインターネットで何でも体験できる時代ですが、五感をつかって体験する“生”はやはり違います。図書館で表紙だけで本を選んで手にしてみることも行ったという跡見学園中学校の教育は、不易流行。先端と変わらぬ本質を大切にする教育を重視している学校なのだと思いました。