思考の過程を問う2タイプの「適性検査型入試」を行う昭和学院中学校

適性検査型

昭和学院は、新キャンパス計画のもと、創立70周年の2010年に幼・小・中・高校の新校舎を完成させ、そして創立80周年を迎えた2020年を「令和の昭和Project」と位置づけ、次の100周年を迎える未来にも活躍できる人の育成を目指し、学校改革に邁進している中高一貫共学校です。

「令和の昭和Project」で、まず大井俊博学校長は、コースと制服の刷新を実施。すでに導入済みの「マイプレゼンテーション入試」や「適性検査型入試」等とともに、「明敏謙譲(明朗にして健康、自主性に富み謙虚で個性豊かな人間の育成)」という教育理念のもと、スポーツでトップレベルの成績を残しながら勉強にも打ち込む、昭和学院の伝統である“文武両道”のいろいろなタレント(才能)を持った生徒を広く受け入れています。

特に新しいコース制は、中学はIA(インターナショナルアカデミー)、AA(アドバンストアカデミー)、GA(ジェネラルアカデミー)の3コース制とし、中学3年から、TA(トップグレードアカデミー)、Ad(アドバンストアカデミー)、Ath(アスリートアカデミー)を加えて全5コースとする多彩なコース設定を設け、生徒ひとり一人の学びたい、叶えたい夢をしっかりサポートしています。

教えて!学校のこと 試験のこと

2種類ある「適性検査型入試」ではどんな問題が出題されるのか、作問担当の先生にお聞きしました。

Q. 「適性検査型入試」にはⅠとⅡの2種類があります。その違いを教えてください。

前園先生:適性検査型入試Ⅰは、複数の資料を読んで自分の考えを作文してもらいます。これまでのテーマは、友情、古典に求めた過ち、昨年はグローバリズムなどです。

中西先生:適性検査型入試Ⅱは、国語以外の教科を取り入れた問題で、例えばAとBの二つのグループに分けられた絵を見て、Cの絵はどちらに属するのか、といった問題を出したりしています。

適性検査型入試Ⅰ作問担当 前園 悠太先生(国語科)

Q. 「適性検査型入試」の採点のポイントはどんなところにあるのでしょうか。

前園先生:一つの物事に対して多面的に見ることができ、自分の考えを根拠を持って論理的に書けているかを重視して採点しています。

中西先生:問題を前にした時、頭を回転させて自分なりの考えを導き出し、そして自分の言葉でどれだけ他の人にもわかるように表現できているのかが採点のポイントとなります。

適性検査型入試Ⅱ作問担当 中西 優先生(数学科)

Q. 「適性検査型入試」はどんな児童に向いている試験ですか?

中西先生:その場で考え抜くテストなので、受験勉強でのみこんできたことをはき出すのではなく、日頃から考えることが好きな児童に向いている試験だと思います。

Q. 「適性検査型入試」の生徒と他の入試の生徒では何か違いはありますか?

中西先生:「適性検査型入試」で入学した生徒は、意見をはっきりいう、自分を持っている子が多いような気がします。ただ昭和学院は、色とりどりの生徒がいて、誰もが自分が持つ色を出せ、そのいろいろな色を生徒たちがお互いに知りあうことでいい環境ができている学校です。生徒たちに大きな違いはなく、本校の生徒は、皆が昭和学院生です。

結婚式ができなかった先生の結婚式ビデオ

結婚式ができなかった先生の結婚式ビデオ

コロナ禍でクラスごとにビデオをつくろうということになり、どんなビデオをつくるのかを話し合っていた時、あるクラスで「先生は結婚式がまだできていないから、結婚式のビデオをみんなでつくってプレゼントしよう」という話になりました。その先生とは、実は前園先生。「そんなことをしてもらったからではないのですが、本校の生徒は、まわりの人を思いやれる子が多いと思います」と前園先生。スポーツを頑張っている子も勉強を頑張っている子も、分け隔てなく仲が良いのは、文武両道の伝統が根付いているからかもしれません。

教えて!学校のこと 試験のこと

「適性検査型入試」で受験した0.Hさんと保護者の方にお聞きしました。

Q1 中学受験を考えはじめたのは何年生の頃ですか?

「親戚から中高一貫校の教育についていろいろ聞いており、子どもには中高一貫校の教育を受けさせたいと思っていました。具体的に考えはじめたのは3年生の終わりです。最初は都立白鵬が中高一貫となり公立の中高一貫校受験を考えていました」(保護者の方)

Q2 適性検査型入試をどこで知りましたか?

「適性検査型入試については公立中高一貫校受験を検討している友人からで、昭和学院でも実施しているのは塾開催の説明会で知りました」(保護者の方)

Q3 「総合型入試」を受験するための準備をしましたか?

「4年生時は個別指導塾で一般的な中学受験の勉強、5年生時は適性検査型入試に特化した塾に通い、6年生時には、適性検査型入試に特化した塾に加えて適性検査型入試に特化したオンライン個別指導も受けていました」(保護者の方)

Q4 実際に「適性検査型入試」を受けてみた感想は?

「都立の試験の前に受けたので、とても良い練習になりました。特に適性検査Ⅰの作文が難しかったです。正解のないことに答える練習になりました」(0.Hさん)

Q5 入学してみてどうですか?

「友達もたくさんできて楽しいです。特に『SGアカデミー』という特別講師の方から話を聞く授業がためになります」(0.Hさん)

「英語のプレゼンテーション、英語や社会のITを活用した授業、理科の実験、SGアカデミーがとても楽しいと子どもから聞いています。また担任の先生から、メタモジ※経由でほぼ毎日いただくお手紙が子どもへの良い意識づけとなっており、有り難いです。」(保護者の方)

※手書きのできるICT教育ソフト

Q6 将来の夢はなんですか?

「国際連合の職員」(0.Hさん)

Q7 来年の受験生へのメッセージは?

「自分のためになる受験ができるように頑張ってください!!」(0.Hさん)

「昭和学院には、いろいろなきっかけ・チャンスがたくさんあると思います。頑張ってください」(0.Hさん)

取材Memo

「頑張る」も「楽しむ」も本気の文武両道。
全国レベルで活躍する女子バスケットボール部、新体操部、ソフトテニス部、水泳部などをはじめとして、吹奏楽部のように学年の垣根を越えて活動する部活動など。昭和学院には、文武両道で日々どんなことにも本気で挑戦する伝統が息づいています。