知識と自分の頭を使って読み解く「総合型入試」を行う光塩女子学院中等科

総合型

光塩女子学院は、カトリックのベリス・メルセス宣教修道女会を母体に、1928年に来日したマドレ・マルガリタにより1931年に設立されました。「あなたがたは世の光 あなたがたは地の塩」これは聖書の言葉です。光塩という校名の由来には、人は神様から授かった光と塩の使命を持って生きるという精神が込められています。

光塩女子学院では6年間の学校生活での成長過程を学年目標として掲げられています。生徒一人ひとりが「ありのままで、神様から愛されているかけがえのない存在である」ことに気づき、自分以外の人々も同様な存在として尊重していくこと、「Women for Others」を、学業だけではなく様々な行事や社会奉仕活動などを通して学びます。

1学年150名ほどで、1年もすると学年みんなが友達になります。共同担任制や毎学期の個人面談など、生徒一人ひとりに目と手と心を行き届かせており、生徒同士だけでなく、教師と生徒の間にもほどよい距離感と連帯感があって、“チーム光塩”ともいえる校風を感じさせます。

「あなたの意見を述べてください」が「総合型入試」の原点。

これが数学、これが国語という学びでいいのだろうか。20年前から、高等科で文理を横断した教養演習という授業を設けている光塩女子学院では、入口となる入試においても、教科を越えて総合的に考える試験があっても良いのではないかという考えがあがりました。もともと4教科の試験でも最後の解答欄が大きく設けられており、算数でも「順を追って考え方を説明しなさい」という設問があったという光塩女子学院では、10年前に「総合型入試」を開始しました。

受験者数が10数名で始まり、今では100名以上が受験する「総合型入試」では、「『壁ではなく橋をつくりましょう』というローマ教皇の言葉からそれを実社会で実現するには?」「バベルの塔から発展させて部品の数を調整して、できるだけ高い塔にするには?」といった問題など、国語力に加えて、社会的な発想や理科的な分析力を交えて答える問題が出題されます。

また光塩女子学院の「総合型入試」で留意しなければならないのは、最後の設問が字数制限なしで「あなたの意見を述べてください」というものである点。

字数制限をしてしまうと、その字数の中で起承転結を考えてしまい、思ったことを書ききれないのでは?という考えからです。学校はあなたが思ったこと考えたことをすべて聞きたい、想像力を止めずに書き尽くしてほしいという考えから字数制限をはずしたそうです。

探究に文系も理系もなく、社会に出てからも必要な根底のスキルだと思います。

今回お話を聞いた亀田先生によれば、そんな「総合型入試」で入学した生徒は、あれもやってみようこれもやってみようという、いい意味で欲張りな子が多く、学校にエネルギーを持ち込んでくれたといいます。意見をいう子がいれば、それに耳を傾けてくれる子もいて、生徒たちの個性がいいバランスを保ち、今の元気で明るい学校があるのだといいます。

新しい学びに直結する光塩女子学院の「総合型入試」には、チャレンジする価値があります。まずはホームページや学校説明会から光塩女子学院の門を叩いてみませんか。

広報主任 社会・倫理科教諭 亀田 朋子先生
※写真撮影時のみマスクを外していただきました。
クラス担任ではなく1学年を6〜7名の担任で見る「共同担任制」

クラス担任ではなく1学年を6〜7名の担任で見る「共同担任制」

光塩女子学院の生徒にとって、担任の先生は一人ではありません。創立時からクラス担任制ではなく、教科も年齢も性別も多様な6〜7名の教員で1学年を受け持つ共同担任制を採用。朝終礼を交替で行い、生徒は、勉強、悩みごと、学校行事など、内容によって相談しやすい「頼れる私の先生」に相談することができます。教員側も生徒を複数の目で見て話し合いながら指導できるので、偏りのないきめ細やかなサポートが可能となります。

教えて!学校のこと 試験のこと

「総合型入試」受験で入学された、中学1年生とは思えないほどしっかりしたA.Mさん(現中学1年生)と保護者の方に試験や学校についてお聞きしました。

Q1 光塩女子学院をどこで知りましたか?

「子どもの時からいい学校という評判を聞いており、通学途中の生徒さんを見かけても堅実そうで制服もかわいいので一度訪れてみようと思っていました。光塩祭を見学したのですが、校門を入った印象も明るくて、やはりいい学校だなと思いました。最初に訪れたのは4年生だったのですが、その後も毎年訪れました」(保護者の方)

Q2 光塩女子学院を選ばれた理由は?

「小学4年生の時に初めて光塩祭を訪れたのですが、学校全体が明るくてその印象がとても良かったです」(A.Mさん)
「他校も見学したのですが、子どもの意思が強く、光塩女子学院がいいとゆずりませんでした」(保護者の方)

Q3 「総合型入試」を選んだ理由は?

「2月1日に総合型が設定されていたので、1回でも合格のチャンスが増えればいいと思って受験しました」(保護者の方)

Q4 「総合型入試」を受験するための準備をしましたか?

「過去問を解く練習をしました。問題には光子さんが出てきたり、解いていて面白いなと思いました。過去問を解くことで傾向はつかめたと思います」(A.Mさん)
「塾では4教科を勉強しており、どちらかと言えば国語より理科、社会のほうが得意な子なので不安はありました。ただイベントなどでいただいた過去問を見てみると理科や社会が混じったような問題だったので、子どもも楽しく挑戦できたのではないかと思います。過去問は毎年ためていたので3〜4年分はあったのではないかと思います」(保護者の方)

Q5 実際に「総合型入試」を受けてみた感想は?

「4教科の試験だと、国語は記述、理科は計算、社会は地名とかなのですが、総合型だと本当に総合なので、国語のような問題なのに理科のように解かなければならなかったのが面白かったです。また総合型は答えが一つじゃないというのも魅力で、今まで自分ががんばってきた知識で考えて、それを問題をつくった先生がみてくれるというのは、答えがある4教科よりだんぜん楽しかったです」(A.Mさん)

Q6 入学してみてどうですか?

「総合で入った友達は、こういうことが好きとかこういう風に思っているとか、ほんとうに個性が豊かで、自分の意見や世界観を持っている子が多いのがいいと思います」(A.Mさん)
「共同担任制なので、朝終礼の先生が毎日違ったり、教科のことはあの先生、こういうことはあの先生と、相談する内容によっていろいろな先生に相談できるのがいいと思います」(A.Mさん)

Q7 将来の夢はなんですか?

「いくつかあるのですがまだ考えきれてなくて、いろんな授業を受けていく中でこれから決めていきたいと思います」(A.Mさん)

Q8 来年の受験生へのアドバイスもしくはメッセージ

「総合型は、『あなたはどう思いますか?』という問題が出てきますので、普段から生活の中で自分の意見を持つことが大切だと思います。また見たこともない問題が出て、突然答えなければならないので、やはり基本の勉強をしておくことが大切だと思います。最後に、テスト本番に緊張して、がんばってきた力が出せないと悔しいので、前日からリラックスできるように準備するといいでしょう」(A.Mさん)

取材Memo

「あたたかい居場所をありがとう」。
コロナ禍でオンライン授業の準備で学校は大変というニュースばかりが流れていた頃。光塩女子学院の教員は、何よりも「生徒が学校にいないのがさびしい」と思っていました。そこで学校は生徒に向けて、3週間かけてメッセージムービーをつくり配信をしたところ、高3生徒たちから3日でお返事ムービーが届いたといいます。そのやりとりの様子が、学校のホームページの「映像メッセージ」にアップされています。そこには生徒からの「あたたかい居場所をありがとう」というメッセージ。光塩女子学院は、本当に先生と生徒がワンチーム!素敵すぎると思いました。