「新タイプ入試ガイド」では、近年増加している、新しいスタイルの入試と各学校の取り組みについてご紹介しています。「新タイプ」とは、従来型の知識や学力・成績重視の入試とは異なる、一人ひとりの個性や、非認知能力、特定分野に関する興味や能力、チャレンジ精神などにスポットを当てた入試です。
やってみたいことや興味が、こうした入試に対応できる力やスキルにつながれば、入学後の学びにもプラスになっていくのではないでしょうか。
株式会社プラスワン教育(以下:プラスワン教育)は、キッズ・小・中学生のための宿泊・日帰り体験学習プログラムを多数実施。個々の「やってみたい」を応援しています。また、独自の「グローバル教育」プログラムを企画・実施し、グローバルな時代を担う子どもたちの可能性を伸ばすサポートも行っています。
今回は、プラスワン教育取締役副局長の松村圭さんに、同社のプログラムと新タイプ入試の可能性について、お話を伺いました。
未就学児から参加できる豊富なプログラム
プラスワン教育が企画・実施している「スクールツアーシップ」は、小学校入学前から参加でき、種類が豊富なこと、本物にふれる体験ができることが大きな特長です。
ツアーは、スポーツ、自然、アドベンチャー、動物、文化、趣味、歴史、職業体験、科学・サイエンスなど多岐に渡ります。日帰りのものから宿泊を伴うものまであり、いずれも専任の指導員が同行し、指導にあたります。ツアーに同行するスタッフはすべて当社の社員で、添乗員の資格を取得。教員や保育士免許を持つスタッフもいます。子どもがやってみたいことにピンポイントにスポットを当て、各分野のプロの指導のもと、本物の体験ができることが当社のプログラムの大きなメリット。また、子どもだけで参加することで、協調性やコミュニケーション力も育むことができます。
本物を体験することの大切さ
今は、ネットや映像などを活用すれば、間接・疑似体験をすることはいくらでもできますが、本物の体験に勝るものはありません。たとえば犬や救助犬の訓練体験、昆虫調査、各種職業体験などは、専用施設や自然のなかに飛び込まないと体験できませんよね。子どもが興味を持っていても、親御さんが仕事で時間がなかったり、動物や昆虫が苦手だと、ご自身ではなかなか連れていかれないことも多いと思います。そんなときこそプロに頼って、お子さんを送り出し、体験させてみてはいかがでしょう。夢中になれる喜びや感動を、吸収力が高い子ども時代に体感することは、その子にとって大きな糧になります。
何かに夢中になれる力は、新タイプ入試のなかでも「探究型入試」につながりそうですし、ロボット作りなどは、近年増加しているプログラミングの入試などに役立つ可能性もあります。
「たとえばロボットに限らず、これはどうやって動いているんだろう?と子どもが興味を抱いたときがチャンスです。当社ではロボット作りもレベルに合わせたプログラムを用意していますので、最初は初級に参加してロボットを作り、次は中級コースに挑戦する子どもも多いです。
当社のスクールツアーシップは、入試を想定して企画されたものではなく、あくまでもたくさんの子どもたちに本物の体験をしてもらい、自分の可能性を広げて欲しいとの想いから生まれています。子ども心を持つスタッフが、自分たちもやってみたい、一緒に楽しみたいとの想いを大切に、意見交換しながら企画の実現につなげています。
だからこそ参加するプログラムを選択する際は、入試に役立つからとか、この分野が将来伸びそうだからわが子にやらせたい、といった大人目線ではなく、まずは子ども自身の興味を大切にして欲しいと思います。というのも、親がいくら勧めてても、そもそも子どもが興味を持たなければ参加しても楽しくないからです。普段の親子の会話などから、子どもが何に興味を持っているのかを把握し、お子さんに合うスクールツアーシップにご参加いただけたらと思います」。
「グローバル教育」も、ただ見せるのではなく現場に飛び込む
プラスワン教育は、「グローバル教育」にも力を入れています。中学入学前までのグローバル教育といえば、小学校でも導入された英語教育が思い浮かびますが、内容は学校によってばらつきがあります。それでは物足りないと考える親は、早くから子どもを英会話教室に通わせることも多いでしょう。しかしそれだけでは、「英語に慣れる」ことが目的となってしまいがちです。
「当社のグローバル教育プログラムは、英語力の取得というよりも、世界で活躍する人材を育てることや、日本を含め、世界中の名門大学で学ぶことを視野に入れ、早い時期に将来の選択肢を広げてあげることを目的としています。
たとえばハーバード大学を見学するツアーはよくありますが、当社の『世界のトップスクールツアー』では、ハーバード大学の教員、研究者、在校生と交流します。参加者たちからは、『ハーバート生が超優秀なのはわかったが、決して雲の上の人ではない。でも世界一前向きな人たちだった。自分はハーバードには入れないけれど、ああいう人間になりたい』という感想が寄せられています。また、東大を目指す優秀な生徒でも、途中で挫折してしまうことがありがちですが、早いうちから国際プログラムでハーバードやスタンフォードなどを体験していると、『東大が何ほどのものだ』と感じ、果敢に挑戦できるようになることも多いのです」。
体験から得たスキルを新タイプ入試に活かす
世界のトップ大学を体験する「世界のトップスクールツアー」は、中高生が対象ですが、プラスワン教育では、小学生から参加できるグローバル教育プログラムも複数用意しています。
「3泊4日のイングリッシュキャンプ(国内)は、小1~6年生を対象としています。また、世界で働く人々や環境を体感する『グローバルエリート育成ツアー』は、10歳から参加できます。
家族旅行などではなかなか体験できないことを、子どもの興味に合わせて与えてあげることは、子ども自身が自分の進路、将来について考えるきっかけになるかもしれません。また、そうして培った英語力を、「新タイプ入試」の「英語入試」や「英検利用入試」などに活かせる可能性は十分にあると思います」。
松村さんから受験生へのメッセージ
今回の取材を機に、私自身も新しいスタイルの入試が続々と誕生していることを改めて実感しました。中学受験を考えている受験生はもちろん、親御さんも、こうした入試があることを情報として知っておくと、得意や興味を活かしながら入試にチャレンジできますし、入学後には、「得意や興味」をより伸ばすことができるのではないでしょうか。
取材Memo
自分の興味や得意分野を把握し、入試に活かせることが「新タイプ入試」の魅力のひとつですが、「興味や得意、夢中になれること」を、わが子がどうやって見つけていけばよいのかと悩む親御さんも多いと思います。でも、プラスワン教育が提供する多種多様の体験型プログラムなら、子どもが夢中になれる何かが見つかるかもしれません。まずは、「こんな体験ツアーがあるけれどどう?」という親子の会話から始めてみるのも楽しいのではないか、と感じました。