文京学院大学女子は、英語が日常にある環境のもと、「英語で学ぶ」を実践。国際社会から必要とされる人材の育成を目指します。だから、「英語インタラクティブ入試」!

英語インタラクティブ入試

「自立と共生」を教育理念とする文京学院は、2024年に創立100周年を迎えました。創立者の島田依史子が前身の島田裁縫伝習所を開校したのは、弱冠22歳の時。100年前に「女性の自立」を目指し、時代に先駆けた教育を目指した創立者の思いは、現在も文京学院に受け継がれています。「グローバル教育」、「探究活動」、「ICT 教育」をコラボレーションさせた教育活動に定評ある同校では、教育改革を更新し続けています。2022年1月には、教育提携を結ぶIB認定校アオバジャパン・インターナショナルスクール(AJIS)の文京キャンパスが、インター共用棟に開校しました。両校は、「施設と学びの共用」を掲げて、「One day留学」や「After school program」など、様々な協働プログラムを展開しています。また、世界5か国8 校とMOU協定を締結。留学や語学研修、海外大学進学の夢を応援。2023 年度はMonroe college、Boston college(米)、IE University(西)などに合格しました。生徒たちの未来に繋がるフィールドはますます広がっています。同校が実施する「英語インタラクティブ入試」について、中学副校長の島田美紀先生と、高1のY・Sさんにお話を伺いました。

■英語が日常にある環境を実現することで、世界標準の英語力を身につけさせたい

中学副校長の島田美紀先生

「英語インタラクティブ入試」は、個々または集団で英語を用いた活動を行い、その様子を評価します。 5年目を迎えましたが、受験生に何か変化は見られますでしょうか。

「小学校で英語が必修化されたこともありますが、幼い頃から英語を習っている受験生が増えています。また、受験生の英語に対する思い、英語学習への熱心さも増しています。おそらく保護者の方がご自身の経験を踏まえたうえで、『中学受験』のその先の、お子さんの将来を熟考されているからだろうと思います。近年は、多様な背景を持つ「国際生」の受験も増えました。欧米にルーツをもつ受験生は、終了後に「楽しみながら、みんなで合格を目指せる入試だから受験した」と笑顔で話してくれました」

ここで、「英語インタラクティブ入試」の概要をご紹介しておきましょう。

●ネイティブの先生と受験生複数名で英語を用いた活動を行います。(50分・100点)
英語力だけでなく、「指示を正しく理解したうえでゲームに参加しているか」「積極的に行動できているか」「協調性を持って活動できているか」です。
他者と英語を用いてコミュニケーションをとる姿勢を通して、積極性、協調性、英語運用能力を測ります。ネイティブ教員と受験生が1対1で行うインタビューテストの他に、グループでの活動やペアワークなどを50分間で行います。

「英語インタラクティブ入試」のサンプル動画はこちら

文京学院といえば、グローバル教育に定評があります。 御校が育成を目指す「グローバル人材」とは、どのような人でしょうか。

「グローバル社会が生み出す『多様性』とは、多くの価値観の共存と、時にその『価値観』の違いが原因してぶつかり合うことも意味します。それをどう調整していくのか。『柔軟性』を身につけないと、グローバル社会では生きていけません。ですから、本校がグローバル教育を通じて育てたいのは、『柔軟性』を身につけ、英語でも日本語でも自分の意見を適切な言葉で伝えられる『コミュニケーション力』を持った人です」

コロナ禍のなかでも、中学生は国内で行う英語の校外プログラムに積極的に参加し、高校ではエジプトやマレーシアの学校と「コロナ禍での公衆衛生」をテーマにオンラインで話し合うなど、グローバル教育を停滞させていないのは、御校ならではですね。

「この2年間、あらゆる教育の機会、場面において『学びを止めない』ことを大切にしてきました。海外との交流も言うまでもありません。昨年より、オーストラリア語学研修やタイ科学交流を再開させました。また、カナダやアフリカなど、長期留学のプログラムを利用して留学中の生徒がいます。『可愛い子には旅をさせろ』ではありませんが、海外研修では、予期しないトラブルを経験することもあります。以前、イギリスに行った際のことですが、ホームステイ先のお母様と意思疎通がうまくいかずに誤解され、叱られてしまったと言ってきた生徒がいました。最初は戸惑い、落ち込むばかりでしたが、最後には自分の気持ちを伝えて、誤解を解きました。若いうちにある程度の試練を味わうこと、またその時に、きちんと自分の気持ちを伝えることができるようになることは後々の自信に繋がります。さらに、それができるようになれば、もともと物事に丁寧に向き合う日本人女性は、もっと世界で活躍できるはずです」

グローバル社会で活躍できるかどうかは、自分の言葉で「伝えられるかどうか」にかかっている。そのためには異なる環境に身を置き、言語・非言語コミュニケーションの力をつけるということですね。

「世界には本当にいろいろな人がいて、自分とは違う人たちのことをわかろうとしなければ何も始まりません。そうすることで、自分のことも見えてくるものです。そのような経験は何物にも代え難いものです。本校では、語学研修や留学などの渡航を伴うプログラムのほかに、海外からの受け入れの機会を多く設けています。今年も、オーストラリアや台湾、フィリピンから、バレーボール部やサッカー部との交流戦のために来校した選手と中学生が交流する機会を設けました。JICA研修員の方が本校の「日本型教育」を視察のために来校いただいた際にも中学3年生といっしょに様々な活動を体験していただきました」

留学となると、英語力が相当高くないと難しいと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。

「今年、プログラムを再開させるにあたり、渡航先、滞在期間を大幅に見直しました。生徒個々の語学力に合わせて、参加するプログラムを選ぶことができます。理系であればタイの科学技術高校(Princess Chulabhorn Science High School)との科学交流もあります。『英語力』だけにこだわるのではなく、さまざまな経験を積み、視野を広げてもらうことが一番の目的です。そのため、望む生徒が誰でもチャレンジできるプログラムになっています」

グローバル力の基盤となる英語教育についても充実しています。英語と他教科のコラボ授業や放課後講座の「国際塾」、また、ネイティブの先生が担任や部活動の顧問を務めるなど、日常的に英語に触れる機会が豊富ですが、昨年1月からは教育提携を結ぶAJISの文京キャンパスが御校のインター共用棟に開校しました。同じ敷地内にインターナショナルスクールがある環境というのも、文京学院の新たな付加価値になりますね。

「早速、生徒同士は友達になっていますね(笑)。AJISの生徒さんが本校の部活動や学園祭に参加する一方、本校の生徒もAJISさんの放課後プログラムやボランティアプロジェクトに参加しています。AJISの学びを体験できる『One day留学』も実施しています。今、両校ともにお互いにないものをシェアし、刺激し合いながら、学びを深めています。これからさらに関わりは広がっていくと思いますが、このことも含めて、生徒たちには中高でのたくさんの経験をもって大学や社会に飛び立ってほしいと思っています」

英語で学ぶ「 コラボ授業 」、日本人教員とネイティブ教員がペアで行っている。

■「英語が楽しい!」と思える人はチャレンジしてください

Y・Sさん(高1)

小学校1年生の時から英語教室に通っていたというY・Sさんですが、文京学院との出会いはどのようなものだったのですか?

「今は違うのですが、つい最近までこの学校の近所に住んでいて、小さい頃から通学する生徒の様子や、目の前を通られていく先生方を見ていました(笑)。それで、雰囲気がいいなと。ですから、中学受験を考え始めた6年生になってから、文京学院の説明会や体験会に参加しました」

親しみを感じていたわけですね。 では、この試験のためにどのような準備をしたのでしょうか。

「私たちの学年が英語インタラクティブ入試の1期生でしたので、過去問はありませんでした。『体験入試』に参加して試験の形式や内容の感じをつかみ、入試当日まで質疑応答を想定して練習しました」

小6で英検2級を取得したY・Sさんですが、 実際に入試を受けてみて、どのような感想を持ちましたか?

「内容的にはそれほど難しいものではありませんでしたが、私はコミュニケーションをとることが苦手だったので、会話をする場面ではちょっと緊張しました。でも、文京学院に入って、前よりも英語でも日本語でも会話することに抵抗がなくなったというか、コミュニケーションがとれるようになったと思います。学校の先生と電話でやり取りしたことがあったのですが、それを聞いていた母が『成長したんだね』と(笑)」

Y・Sさんは、中3の時に英検準1級も取得されたそうですが、 文京学院の英語の授業はどのような感じですか? また、Y・Sさんにとって、英語を学ぶ楽しさとは何ですか?

「私は週に4回、取り出し授業を受けています。授業では、環境問題や動物保護などをテーマにしたディスカッションをすることもあれば、長文読解、英検や大学入試の過去問題に取り組むこともあります。幅広く、さまざまなことを学ぶことで、総合的な力がついてきたと感じています。英語を学ぶ楽しさについては、他の外国語も同じだと思うのですが、同じ意味のことを他の言語で表現するおもしろさにどんどんのめり込みました」

好きな教科は、やはり英語ですか? また、高1の今、進路はどのように考えられていますか?

「好きなのは英語と美術です。運動が苦手なので、体育はちょっと(笑)。数学も応用問題があまり解けないので、得意ではありません。進路については、まだはっきりとは決めていないですが、本を読むことが好きなので本に関わる仕事をしたいと思っています。例えば、海外のおもしろい本を翻訳して日本に紹介してみたいと考えています。日本の小説やマンガも海外で人気があるので、翻訳してもっと多くの国に紹介したいです」

英語が好きで、美術が好きで、本も好き。 将来の行き先が楽しみですね。では、文京学院での学校生活、 そして生徒さんはどんな感じなのかを教えてください。

「学年関係なく全体的に明るくて、クラスも活気にあふれていますね。高校生になると少し落ち着くのか、中学生は、さらに活発な感じです(笑)。話しかけやすい人が多くて、雰囲気がとても良い学校だと思います。AJISの方たちとも交流の機会が増えて、互いに行き来しながら自然に交流しています。 留学していなくても、留学できているような環境です」

では最後に、この入試はどのような人に向いていると思いますか。 先輩として、受験生にメッセージをお願いします。

「英語が苦手だと思っていても、ちょっとしか勉強していなくても、自分の意見を積極的に言える人、チャレンジ精神のある人にも受けてほしいです。純粋に『英語が楽しい』と思えるなら、文京学院に入った後に伸びますから。あと、事前の準備としては過去問を解いたりするほかに、会話力をつけたいと思ったら、ご家族に英語で話しかけたりとか、日常生活の中に英語で会話する機会を少しでも入れるといいと思います」

取材Memo

日本人としての教養も大切に、グローバルパートナーシップを育む学校
雪の日に除雪して近隣の方々に喜ばれるなど、通学路の清掃は、先輩たちから受け継ぐ文京生の伝統です。「掃除用具を新しくすると、生徒たちが大喜びするんですよ(笑)」と島田副校長は教えてくれましたが、この他者のために自主的に動く姿勢は、グローバルパートナーシップの根幹となるものです。また、1日1枚以上の書写をする「ペン習字」や、毎週金曜日の朝に全学年で行う「運針」なども開校以来続く同校の大きな特色です。このような日本人としての教養を身につける伝統教育を大切にしているからこそ、グローバル教育も本質的な意味合いをもって実践することができるのだと強く感じました。



オーストラリアからU14選抜チームが来校。
生徒と交流した後、中学サッカー部と交流戦を行った。