【聖ドミニコ学園】の「英語入試」で、英語・数学・理科の授業を英語で学ぶインターナショナルコースへ。

英語入試

田園都市線「用賀」駅から徒歩15分、田園都市線及び大井町線「二子玉川」駅から徒歩20分。聖ドミニコ学園中学校は、岡本静嘉堂緑地などの緑豊かな環境に恵まれた閑静な住宅地にある完全中高一貫のミッションスクール。学び舎として守られた同校の敷地内には、幼稚園と小学校があり、休み時間や放課後には小さな子どもたちの声が聞かれます。

ドミニコ女子修道会の修道女が来日し、仙台に修道院を設立したことをルーツとする同校は1962(昭和37)年の創立。開校以来、「真理を求め、自由に生きる」キリスト教精神に基づく教育理念のもと、生徒一人ひとりをあたたかく包み込む少人数制(中学1学年3クラス、高校2クラス)教育を行っています。 2019年に学校改革の一つとしてコース制を導入。伝統の英仏2カ国語教育に加えて、インターナショナルコースでは英語・数学・理科の授業を英語で行う授業を行うなど独自の英語教育を行なっています。今回はそんな同校の英語教育とその入口となる「英語入試」についてお聞きしました。

ネイティブ教員とコーディネーター

まず聖ドミニコ学園の校風や魅力を簡単にご紹介ください。

「ミッションスクールなので、はじめから一人ひとりの存在を肯定して迎え入れ、安心安全なあたたかな環境の中で大切にされて育っていける学校です。生徒たちは一人ひとりが神様からいただいたタレントを持っています。勉強、運動、芸術など、自分が望むことを自由に伸ばしていける学校です。このような校風だからこそ、お互いが個性を認め合って共存しているところが魅力だと思います」

2019年の学校改革について教えてください。

「キリスト教教育は普遍的な価値観でこれは変わらないものですが、学び方は時代とともに変わっていくものです。PBL授業であったり、ICT教育であったり、聖ドミニコのアイデンティティを見つめ直し、学びをアップデートするために取り組んだ改革です。スタートして気づくことこともあり、絶えず改善しながら進めています」

コース制について教えてください。

「インターナショナルコースとアカデミックコースの2つのコースがあります。新たな英語学習を提唱するインターナショナルコースでは、英語・数学・理科の授業を全て英語で行い、教科を英語で学ぶCLIL(内容言語統合型学習)の考え方に基づいてカリキュラムを組んでいます」

英語で行われる授業はどのように行われるのでしょうか。

「ネイティブスピーカーの教師(以下、ネイティヴ)と日本人の教師の2人が教壇に立ってティーム・ティーティングをしています。ネイティブの教師が英語で教えますので、事前に綿密な打ち合わせを行い、日本語での説明があった方が良い場合は『ここからはジャパニーズタイム』といって日本人の教師が介入します。授業はネイティブのスタイルで進められますので、『起立!気をつけ、礼』はありません。また学習内容へのアプローチ方法も日本のものとは異なります。違いを簡単に言うならば、プロセス(過程)を重視しています。効率性よりも授業は楽しくフレンドリーに進行するので、生徒はみな積極的に授業に参加し、ちょっと外国の教室のような雰囲気です」

なぜ英語教育に力を注ぐようになったのですか。

「本校では英仏の2カ国語教育を創立当初よりずっと行なってきたせいか、外国人と接する時もこの人は何語を話す人だろうという感じで、言語を自然に受け入れる気風があります。インターナショナルコースを設立し、CLIL教育の第一人者である上智大学教授の池田 真先生にもご助言をいただきながら、英語イマージョン教育を進化させてきたのも、本校には語学に慣れ親しんでいる環境があり、これはもっと伸ばせると確信したからです。語学は人間理解の入り口です。文化、価値観、考え方などの多様性の受容は人と人とが力を合わせて良い社会を築いていく上で欠かせない態度です。他者に関心を持ち、尽くすことのできる人間性を語学学習を通して養ってほしいです」

英検の取得も盛んなのでしょうか。

「中3で多くの生徒が準2級に合格しています。年3回の英検DAYを設けて、学校を英検の会場にするなど、英検にチャレンジしやすい環境も整えています。2次面接対策では希望者全員が1対1の指導を受けることもできます」

「英語入試」について教えてください。

「前期と後期で試験内容が少し異なります。前期は、習い事などで英語を自分から進んで学んできた受験生に向けたもので、リスニング(ディクテーション)を含む筆記(70点/50分)と1人10分程度のスピーキング(30点)を行います。筆記試験ではディクテーションが重視されます。スピーキングは、1〜2分の自己紹介の後に、英検3級程度の口頭諮問を行います。公立の試験発表後の2月11日に行う後期は、帰国生入試に近いもので、スピーキングはネイティブスピーカーとのフリートーク、ライティングはエッセイを英語で書いてもらいます」

ディクテーションについて教えてください。

「ディクテーションとはリスニング力を鍛えるために、読み上げられた英語を書き取ることをいいます。本校では英語と数学は授業の最初の5〜10分を使って、これから学ぶことの内容を入れた英文を聞いてノートに書き取ります。その答え合わせをしてから授業に入るのですが、知らない単語や表現もありますし、何よりすべての言葉を書き取ることは容易ではありません。では書き取る時にどうしているかというと、日本語でもそうだと思うのですが、わからない部分は想像力で補うんですね。He stopとしか聞こえなかったけど、文脈からHe stoppedのedが必要だなと、補うのです。インターナショナルコースで始めたこのディクテーションが生徒の英語力をさらに伸ばしている要因だと思い、今ではアカデミックコースでも取り入れています。また『英語入試』では、英語の力をストレートに問うためにディクテーションを取り入れただけでなく、リーディング問題においても文章題から下線問題やカッコの穴埋め問題をなくし、読んだ流れから内容を問う問題にシフトしました」

これまでは英検3級程度の知識を求める問題だったといいますが、これからは全体を理解して答える問題になるといいます。それは英語入試の案内に「知識やテクニックよりも、英語に慣れているかを重視。よりシンプルかつストレートに問います」と謳われています。「英語に慣れている」とは、どう受け取ればいいのか難しいところです。英語もフランス語も「人とつながるための言語を教えてくれる」という話や「言語を自然に受け入れている」「想像力で補う」という話を聞くと、聖ドミニコの英語教育を数値で示すのは難しいかもしれません。しかしその成果は英検取得実績だけではなく、GTEC(ベネッセと米国企業が共同開発した中学生・高校生向けの英語コミュニケーション能力測定テストで、4技能の「使える英語力」を評価するもの)やCEFR-J(世界の語学学校で採用されている外国語の習熟度の国際基準CEFRを日本人のためにカスタマイズしたもの)で確実に現れています。GTECの上位4名は、高1生でB2ランク(大学での専門教育を英語で学べる英検準1級のレベル)であり、インターナショナルコース生は全員CEFR-JのB2ランク以上(海外進学を視野に入れることができる英検2級のレベル)です。適切な例えではないかもしれませんが、聖ドミニコの英語教育は、ダブルディプロマ校のような雰囲気なのではないかと思う取材となりました。

教えて!学校のこと 試験のこと

Q. 中学受験を考えはじめたのは何年生の頃ですか? またそのきっかけは?

「小学校3、4年生の頃。友達が中学受験をするといっていてカッコイイなと思ったから」

Q. 塾や習い事に通っていましたか? それは何対策でしたか?

「東京個別指導学院に通って、算数と国語の2科を教わっていました」

Q. 英語はどこで勉強しましたか? 英検は持っていますか?

「英語は幼稚園の頃からECCの英会話スクールに通っていて、英検は2級を持っています」

Q. 聖ドミニコ学園をどこで知りましたか? また説明会等には参加しましたか?

「学校案内の本で知って、そこからホームページを見ました。説明会は、ほぼ毎回参加していたと思います」

Q. 聖ドミニコ学園を選んだ理由は?

「もともと少人数の学校に通っていて、とても手厚くサポートもしてくれると知ってたから。インターのコースができて、気になったから」

Q. 入試問題はどうでしたか? リスニングとライティングではどちらが難しかったですか?

「どちらも当時は難しかったです。強いていうと、リスニングの方が難しかったです」

Q. 入学していかがですか?(先生、学校の好きなところ、友達など)

「友達にも先生にもめぐまれて、毎日来たいと思える!授業も実験やプレゼンが多く教わるだけじゃないからワクワクします」

Q. イマージョン授業はどうですか?ついていけてますか?

「とても楽しいです!それなりにはついていけてると思います。実験など実際にふれて学習することが多いので頭に入りやすいです」

Q. クラブ活動に入っていますか? 何部ですか?

「ラクロス部とフランス語部に入っています」

Q. 将来の夢やなりたい職業があれば教えてください。

「物をデザインする仕事をやってみたいです!」

Q. これから中学受験をする人へメッセージをお願いします。

「目標に向かって頑張っている最中で、悔しいことも嫌になる時もあると思うけど、目に見えなくても結果は、きっとついてくるから、どんと構えて頑張って下さい!応援しています!!!」

取材Memo

生徒にも保護者にも満足度の高い英語教育
取材後、校内をご案内いただいた廊下の壁には、生徒たちが英語でまとめたレポートがたくさん掲出されていました。写真はparallelogramsとあるので平行四辺形について生徒が振り返り学習でまとめたもの。めくって読むようになっていて、受動的な学びではなく、生徒が進んで参加して楽しんで学んでいる様子は、保護者の方にも好評だと言います。また生徒へのアンケートで「インターナショナルコースに入ってよかったと思いますか」の質問に100%が「よかった」と回答。「毎日英語の授業を行うので、前よりもコミュニケーション能力がついた」「周りのみんなも沢山発言していたから自分も沢山発言でき、発言力が上がった」「みんなの前で英語を実際に話す実践の場があるから、どう伝わるか、どうすればもっと自分の言いたいことが伝わるかを毎日学べる」などのコメントも寄せられており、満足度が高い聖ドミニコの英語教育、かなりおすすめです。