【東京家政学院】の適性検査型入試は、一人ひとりを見守り育ててくれる女子教育の入口。

適性検査型入試

市ヶ谷駅、九段下駅、半蔵門駅の3駅が利用でき、どの駅からも徒歩10分圏内の東京家政学院の創立は1923年(大正12年)。文科省(当時の文部省)の命を受けて渡航した4年間のイギリス留学で、グローバルスタンダードと女子教育の重要性を痛感した大江スミにより創立されました。

1920年代は、第一次世界大戦を銃後で支え、新しい価値観を育んだ女性たちが社会進出をした時代。大江スミは、理想の女性像は、良き家庭人であると共に良き社会人であり、その理想をかなえるためには、広く社会の動きを捉えることのできる知識(Knowledge)、その知識を実生活に活かすことのできる技術(Art)を身につけ、それらを周囲の人々の幸せのために活用したいと願う心、徳性(Virtue)を身につけることが重要であるとしました。

東京家政学院の建学の精神であるKVA spiritは、これらの頭文字であり、校章もこのKVAをバラの花に見立ててデザインされたものです。 そんなルーツを持つ東京家政学院の学びと入試について、山形先生にお聞きしました。

入試広報部長 山形 純一郎先生

校名にある「家政」学とはどんな学問なのでしょうか。

「家政学というのは、身の回りにある衣食住を通して生活をよりよくし、自分だけではなく周りの人を豊かに幸せにする学問だと思います。家政学は、身の回りのものすべてが学びの対象となります。本校の6年間のプログラムの中で家政学を感じて成長して欲しいと思っています」

家時間が多くなるコロナ禍ではますます家政学が大切になってくるのでは?

「コロナ禍は、生活や家族のあり方に変化を与えただけでなく、今まで以上に目の前にあることや世界で起こっていることに目を向かせる機会になっていると思います。本校では、金沢工業大学の『STAY HOME for SDGs〜おうちで取り組む17日間SDGsチャレンジ』を使って、家の生活の中でできるSDGsを探して取り組む課題を出し、ワークシートを提出してもらっています。家政学は、一人ひとりが欠かすことができない日常生活に関わる学問であり、自分の身の回りのことから世界につながるSDGsと非常に馴染みがいい学問だと思います」

夏休み中に取り組んだ「STAY HOME for SDGs」のワークシート

東京家政学院の女子教育について教えてください。

「建学の精神であるKVA精神の中でも、最も重視しているのが『他者を思いやる女性としての品性・徳性(V)』です。いくら知識と技術を持っていてもそれを自分のためだけに使ってはならない、という大江スミの願いが込められています。簡単に修養できるものではありませんが本校では、この徳性を育む機会としてエレガンス教育を行なっています。具体的には、中学1年生で花道(大和花道)、高校1年生で茶道(裏千家)のお稽古を全員で行います。京都から移築した「又隠」というお茶室でお点前を習うのは大変貴重な体験です。日本の伝統文化に触れ、作法やおもてなしの精神を習うことで身につく思いやりの心は、学校生活だけでなく社会に出てからも自信につながる武器になります。また、課外授業では免状や資格を取得できますし、その他にマナー講習やテーブルマナー講習を行い、女性としての品性を育てています」

内面を磨く花道は6年間修了すれば準師範の免状が取得可能

東京家政学院の家庭科教育について教えてください。

「衣食住に関する基本的な知識と技術を学ぶのが家庭科教育です。マイかっぽう着を自分で作ることからはじまる<被服>、そのかっぽう着を着て食の基礎を身につける<調理>、また<幼児教育>や<シニア擬似体験実習>なども行うことで、社会でも家庭でも活躍できる多才な女性を育てていきたいと思っています。調理では、調理実習で作った料理を家で自分一人で作って家族に振る舞う課題や各家庭でお雑煮を作り、その写真を撮って持ち寄り家によって違う味から地域文化のことを考えたり、食から人と人とのつながりや食の背景にあることを学ぶプログラムを展開しています。その他にも防災教育など、6年間で広範囲に学びますので、本校の家庭科教育は他校にはない、生きていく力を身につけるものになっています」

入学すると大きめのかっぽう着を自分でつくり3年間使います

その他、御校の特長をお聞かせください。

「本校は1クラス20〜25名の少人数制です。少人数制ですと生徒一人ひとりに寄り添うことができ、生徒の変化に気づきやすくなります。面談はもちろん、毎日の教室掃除や授業前後のクラスの様子など、何気ない生徒とのやり取りを大切にして、生徒の変化を見過ごさないようにしています。そして、少人数制ということもあり、生徒一人ひとりが授業で積極的に発言をしたり、質問がしやすいアットホームな環境であることも大きな特長の一つだと思います。 また入学時には、外部の講師を招いて、人と人のコミュニケーションについてのプログラムや、中1生と中2生が協働して、地域のお店や企業を取材し、それをポスターにして発表する『ポスタビ』を行っています。これは高校での探究プログラムにつながるもので、昨年度は中1~高2まで5学年合同のGPA(グローバル・プレゼンテーション・アワード)を開催し、人と人のつながりや物事を探究する力、またプレゼンテーション能力を養うプログラムを展開しています」

大学進学や進路について教えてください。

「併設大学の東京家政学院大学への進学が保証された上で他大学を受験することができる本校の現役進路決定率は97%です。管理栄養士や幼稚園教諭などの教員免許などの資格取得が目指せ、就職率96.6%の東京家政学院大学に進学するのもよし、本校には100大学以上600名以上の指定校枠がありますので、それを使って他大学に挑戦するのもよしさらに一般選抜で難関大学を目指すもよしという環境があります」

適性検査型入試について教えてください。

「適性検査1が国語、適性検査2が社会と理科、数学的な視点を取り入れた問題、適性検査3が社会と理科、数学的な視点を取り入れた問題で、九段中等教育学校を意識した問題となっています。本校の2018年度の問題が2021年度の九段の問題の一部で、本校の2021年度の問題が2022年度の九段の問題の一部で的中するなどしていますので、九段中等教育学校を受験される方はぜひ本校も受験して欲しいと思っています」

適性検査型入試の受験対策は何をしておくと良いでしょうか。

「適性検査1では文章を読む力、要約する力、自分の考えを適切に言葉で表現する力を限られた時間の中で発揮しなければならないので、本や新聞を読んで要点を要約してみる練習や自分の考えをまとめる練習をするといいと思います。また本校の過去問を解くのは何よりの練習になりますので、トライすることをおすすめいたします」

教えて!学校のこと 試験のこと

適性検査型入試で入学された生徒さんへのアンケートです。ぜひ参考になさってください。

M.Mさん(高校3年生)

Q.中学受験を考えはじめたのは何年生の頃ですか? またそのきっかけは?

小学校5年生。周りが成績を気にするようになったから。

Q.塾に通っていましたか? それはどこの塾で何対策(対策科目など)でしたか?

日能研で5教科(5年生)、enaで文系・理系・作文(6年生)

Q.東京家政学院をどこで知りましたか?また東京家政学院を選んだ理由は?

塾の先生のすすめ。第一志望校(九段中)の試験の類似問題が試験で出るから。

Q.東京家政学院の試験は何を受けましたか。受験した試験をすべて教えてください。

2月1日午前適性検査型入試(1・2・3)

Q.入学してみてどうですか? 入学後の印象や感じたことを教えてください。

おっとりした子やマイペースな子が多い。先生方がしっかりサポートしてアドバイスもくれるので自分に合った勉強のやり方がわかり、向上心や好奇心が上がり、成績も上がったと感じる。
先生方も優しく、生徒のことをよく見てくれ、頼りがいのある先生が多い。

Q.東京家政学院はどんな学校だと思いますか?

のんびりしていて落ち着いた雰囲気の学校。
先輩や先生との距離が近い、アットホームな学校。

Q.東京家政学院はどんな人に向いている学校ですか?

おっとりしていてのんびりしたい子、気があまり強くない子、穏やかな子

Q.大学はどんな方面を考えていますか?

理系・推薦で進学したいです。

Q.将来の夢はなんですか?

今はまだ決まっていませんが、自立した頼りがいのある女性になりたいです。

Q.これから中学受験をする人へメッセージをお願いします。

体調面には十分気を付けて目標に向かって頑張ってください。応援しています!

取材Memo

家政学とSDGs
東京家政学院では、クラスから他学年、そして地域社会から世界とつながる力を段階的に育てるキャリア教育を行なっています。『ポスタビ』、『STAY HOME for SDGs』もすべてキャリア教育のプログラムです。家から出るプラスチックゴミと海洋汚染の問題やフードロスと貧困飢餓の問題などSDGsの目標を考える時、身近なところからはじめられることが多く、身近なことから考える家政学とは非常に馴染みやすく、東京家政学院が積極的に取り組むことがわかった取材でした。