【鶴見大附属】「適性検査入試」入学生の主体性と教科を超えた考察力を、先進的教育×禅の教えによって、人間力も含め総合的に伸ばす

適性検査型入試

鶴見大附属中学校(通称:つるふ)は、曹洞宗大本山總持寺を母体とする「学校法人総持学園」によって運営されている学校です。JR鶴見駅西口から、總持寺の境内を通って向かう通学路は、四季折々の自然と静寂さに満ち溢れています。朝は、心を調える黙念からはじまるなど、禅の教えに基づく人間教育にも定評があります。 また、2024年に創立100周年を迎えた同校は、長い歴史の中で育んできた学びを先進的な教育で発展させています。たとえば、授業は先生が教室に教えに来るのではなく、生徒が自ら学びにいく大学風のスタイル(教科エリア+ホームベース型校舎)。全教室に設備されたWi-fiとプロジェクターを駆使したICT授業、現役大学生が質問や相談に応じるチューター制度、蔵書5万冊を誇る図書館など、充実した教育環境を整えています。

教えて!学校のこと 試験のこと

「適性検査入試」を受験して入学した生徒さん2人のインタビューです。

高校1年生のSさん(左)とIさん(右)
*学年は撮影当時です

Q. 中学受験を考えるようになったきっかけは?

「小4の頃、コロナ禍で学校が休みになり、勉強が不安だったので通塾を考えました。たまたま家のポストに案内チラシが入っていた塾に通うことにしたのですが、塾での勉強がとても楽しくて、受験もしようと思い始めたんです」(Iさん)
「小4のとき、友達に誘われてサイエンスフロンティア(横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校附属中学校)の文化祭に行きました。企画もすごいし、活気あふれる環境に感激。中学受験をして合格したら、こんな環境で学べるんだ、と思いました。とはいえ本気で受験を考えはじめたのは6年になってからで、6年の春から塾に通い始めました」(Sさん)

Q. 塾では二人とも適性検査入試のための勉強をしていたそうですが、やってみていかがでしたか。

「もともと教科別に学ぶよりも、ひとつの事例をいろいろな方向から考えることが好きだったので、適性検査入試の勉強はとても楽しかったです。勉強は好きで、小学校での教科の勉強もきちんとやっていました」(Sさん)
「公立中高一貫校が第一志望だったので、適性検査入試への対応を学ぶことが当たり前という感覚で勉強していました。適性検査入試は、読書をしたり、記述力を養いことが求められるイメージがありますが、どの教科の学びも大切。なかでも算数をしっかりやったことが、受験でも役立ちました」(Iさん)

Q. つるふを受験しようと思ったきっかけは?

「第一志望だった公立中高一貫校の問題とも似ているから、つるふも受験してみたら、と塾の先生に勧められました。ホームページを見たら、校舎もきれいなので、いいなあ、と思い、受験することにしました」(Iさん)
「志望校を探していたときに、つるふのことを知り、受けてみようと思いました。直感ですが、仏教系の学校であることも何となくいいなあと思いました」(Sさん)

Q. つるふの学校説明会には参加しましたか。

「1度参加しました。講堂が広くてきれいだったことをよく覚えています。もっとも印象的だったのが、通学路がお寺の境内になっていること。すごくステキで、途中の坂道も、ダンスをやっていた私にとっては、いいトレーニングになりそうで、とても気に入りました」(Iさん)
「お寺を通る道は、僕もとても印象的でした。こんな通学路がある学校は珍しいと思うので、受験生の方もぜひこのルートのすばらしさを体感してほしいな、と思います、入学後も毎日気持ちよく通っています」(Sさん)

Q. 試験対策はどのようにしましたか。

「第一志望の中高一貫校の適性検査対策そのまま、つるふ対策になっていました。当日も落ち着いて試験に臨むことができました。試験当日の机には、合格鉛筆と消しゴムが置いてあり、それがとても嬉しかったです」(Sさん)
「塾では公立中高一貫校の対策を主にしていましたが、つるふの過去問も2~3回やりました。過去問を解いていたことが、当日の自信にもつながりました」(Iさん)

Q. つるふに入学することに迷いはありませんでしたか。

「僕はサイエンスフロンティアが第一志望で、つるふは第二志望。地元の公立中学校に進むことも考えましたが、環境や教育内容といったつるふに行くメリットはもちろん、学費や小学校の友人とは別の学校になることなども母と一緒にじっくりと考えました。最終的には自分の判断で、という母の言葉にも後押しされ、つるふへの入学を決めました」(Sさん)
「第一志望は公立中高一貫校で、他につるふを含め、他の私立も受験しました。他校で合格をもらいましたが、総合的に考えて、つるふに決めました。教育内容、環境、共学であることが決め手でした。複数合格したことで、改めて各校と自分との相性を冷静に考えることができ、つるふのよさを再認識したんです」(Iさん)

Q. つるふに入学していかがですか。

「つるふを選んで本当によかったです。移動型の教室も気分転換になってすごくいいし、先生方の指導もとてもていねい。文化祭などの行事も盛り上がります。私は文化祭実行委員として、今準備を頑張っているところです。適性検査型入試対策で身に付けた読解力や記述力、発信力は、小論文模試や弁論大会でとても役立っています」(Iさん)
「いろいろなことに挑戦できるし、教科を超えて学べるので、とても楽しいです。また、朝の黙念によって、心が落ち着きますし、禅の教えを通して、人間的にも成長できると思います。先生と生徒の距離も近いし、生徒の自主性も尊重してくれます。今、来年の修学旅行に向けて、先生・旅行会社の方と一緒にプランを練っているのですが、とてもやりがいがあります」(Sさん)

Q. 受験生にメッセージをお願いします。

「不安になったら、あれこれ考えず、夜はしっかり寝ましょう。僕も入試直前の1月に急に不安にかられて焦りましたが、開き直って寝たら気持ちが落ち着きました。つるふは個性的な生徒がたくさんいて、本当に楽しいし、個を伸ばすだけでなく、協調性も育まれます。皆さんと会える日を楽しみにしています」(Sさん)
「受験しない子は遊べていいなあ、と思ったこともありましたが、頑張った先には楽しい学校生活が待っていると思えば乗り切ることができます。それから、好きなこと、習い事などは受験があっても中断せず両立しましょう!私も3歳から続けていたダンスを中断することなく、受験しました。受験だからといって、本当に好きなことを諦めてしまうと、受験勉強にも身が入らなくなると思うんです」(Iさん)

続いて試験や教育について、先生にお話しを伺いました。

入試委員・理科教諭 山家 剛仁 先生

■「適性検査入試」募集要項
●試験日程:2026年2月1日午前
●募集定員:30名(成績別に難関進学クラス・進学クラスへ合格判定)
●試験科目:適性検査(45分)・算数(45分)

適性検査入試の傾向と対策を教えてください。

「毎年地域を決めてその地域に関わる国語・社会・理科の観点から答える26問前後を出題し、そのうち約3問が文章で解答する記述問題です。例年、神奈川県内や近隣のどこかひとつのフィールドにスポットを当て、その地域に関連する資料や情報をもとに、教科の枠を超えて考えて答える問題が出題されます。神奈川県内や近隣についての問題は、その土地のトリビア的なことを知っていれば解ける問題ではありません。この問題を通して、基礎学力・資料を読み取る力・そこからわかることについて考え、自分の言葉で表現する力が考査されますし、社会科や理科の観点から考える力も必要です。また、算数の基礎力を問う計算問題も出題され、計算問題や記述問題を含め45分で26問に解答することになりますので、時間配分をしっかり考えて解答することがポイントです。

記述問題は、①問題文の意図を理解しているか ②漢字や仮名遣いが適切か ③文章表現(助詞や主述関係)が適切か ④資料を踏まえているか ⑤論旨が明確か の5つのポイントで評価されます。資料はいろいろな読み取り方がありますので、三者三様の答えがあって構いません。この5つのポイントがきちんと押さられていれば、答えられる問題となっています」

問題の特色
〇設問は26題前後
 ・うち約3題は50文字程度で回答する記述問題
〇文章、グラフ・図表、地図など情報量が多い
 ・時間配分を考え、効率よく的確に読み取る訓練が必要
〇複数の資料を比較しながら読み取り、
 そこからわかることについて判断し、表現する力を問う
〇算数の基礎力、特に計算力を問う

入試合格ライン
2月1日実施 適性検査型入試
進学クラス=50% 難関進学クラス=60%

適性検査入試問題を作成する際のコンセプトを教えてください。

「本校の適性検査の入試受験生のおよそ9割は、県内の公立中高一貫校、特に川崎市立川崎高等学校附属中学校、横浜市立南高等学校附属中学校、横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校附属中学校の併願受験です。こうした学校の出題傾向をある程度踏まえながら、この3校に向けて受験準備をしてきた生徒の努力が報われるようなタイプの問題を作りたいと考えています。そこに加えて、近年の大学入試の出題傾向や本校が取り組んでいる学びの方向性を反映させる。これが問題作成のコンセプトです。

問題作成には複数の教員が関わっており、私もそのひとりです。フィールドワークを通して実感した気づきなどを設問に活かしているので、私たちも楽しみながら問題づくりをしています」

適性検査入試で入学した生徒さんの特徴を教えてください。

「本校の適性検査入試は、2026年度で9回目を迎えます。適性検査入試で入ってきた生徒は、プレゼンテーションやグループワークの時に大いに力が発揮できる子が多いと感じています。加えて、進学クラスから難関進学クラスにステップアップする子も多いですね。自己肯定感が強く前向きな面が、すごく見られます。また、多種多様な大学入試スタイルから自分に合うものを見つけ、結果に結びつけている生徒も多いと感じています」

つるふならではの、「教科エリア+ホームベース型校舎」について教えてください。

「教科エリア+ホームベース型校舎は、先生が教室に来るのではなく、生徒が教室に学びにいく大学の学びのスタイルを取り入れたもので、2009年に導入しました。教室を移動することで主体的に学びにいくという姿勢を養うことが、教科エリア型校舎を導入した目的です。小学校までは親御さんに何でもやってもらっていたと思いますが、中学生になったら、自分の時間と物、生活を律することのできる姿勢を身につけて欲しいと私たちは考えているのです。この教科エリア型校舎に代表される本校の学びの環境は、適性検査型入試で入学する生徒達に、とても合っていると思います。受験対策で培ってきた力、資料や情報に向き合う姿勢を大いに伸ばしていけるのではないでしょうか」

禅の精神に基づいた人間教育とは?

「信仰活動をしているわけではありませんが、禅の教えと作法を教育に取り入れています。本校には毎朝『こころの時間』といって、お経を読んだり黙念をしたりする時間があります。入学前は、どんなことをするのだろう、と思う生徒も多いと思いますが、入学後は皆ごく自然に『こころの時間』を学校生活のひとつに取り入れています。こうした時間があることで、気持ちが落ち着き、授業に集中することができますし、多少嫌なことがあっても、気持ちが前向きにリセットされます。こうしたことを6年間続けていると、やはり違ってくるのではないでしょうか。禅の作法は、自分の心をコントロールする術や主体性を養うことにつながっていると思います。余談ですが、私はサウナが好きなのですが、いわゆるサウナで「ととのう」、といった感覚にも似ているような気がします」

受験を考えている受験生や保護者にメッセージをお願いします。

「適性検査入試で受験する生徒は、中学受験のための教科型勉強は全くしていなかったり、通塾も6年になってから、ということも多いのですが、何も対策せずに受験すれば受かるといった試験ではありません。まずはしっかりと学校で各教科を学んでおくことが大切です。インタビューに登場してくれた二人の生徒もそうですが、勉強そのものが好きで、知的好奇心に満ちた子に合う試験だと思います。

本校には、入学後にそうした力を最大限に伸ばす環境が整っていますし、教科横断型のカリキュラムは今後もどんどん取り入れていきたいと考えています。これからの時代は、文系・理系、教科の得意・不得意という壁にとらわれない、幅広い複合的な知識・考え方が求められます。学びの姿勢や主体性の育成にもつながっているという禅の作法。そして、教科エリア型校舎やICTなど先端的な教育環境。これらが両輪を成して、鶴見大学附属中学校の教育を支えています。

お寺の境内を通るという本校ならではの通学路を含め、訪問しなければ体感できない本校の魅力がたくさんあります。ぜひ親子で一度見学にいらしてください」

取材Memo

互いの良さを尊重しながら成長できる学校
どんな生徒も自分の個性を大切に、伸びやかに成長できる学校だという印象を受けました。学校全体に独特のあたたかさが感じられ、ギスギス感が一切ありません。また、何度か生徒さんたちを取材して感じるのは、自分の言葉、表現力を持ちながら、人の話にもきちんと耳を傾ける姿勢を当たり前のように持っていること。互いの良さを尊重しながら成長できるのは、やはり禅の精神が根底に根付いているからかもしれません。