【多摩大聖ヶ丘】の適性型入試で、A知探Qがジブン世界を広げる毎日へ。

適性検査型入試

多摩大学附属聖ヶ丘中学校は、遠く丹沢山地の彼方に富士山をのぞむ自然豊かな多摩丘陵にあります。創立は1988年。歴史の浅い若い学校であり、男女共学1学年120名の「小さな学校」です。若い学校だからなのか、身動きがしやすい「小さな学校」だからなのか、はたまたアフリカに行ったり料理好きで先生にも生徒にも料理を振る舞うユニークな校長の度量からなのか。多摩大聖ヶ丘は、熱い進化と深化を進めている学校です。そのコンセプトともいえるのがホームページやパンフレットで掲げられている「小さな学校の大きな挑戦」。多摩大聖ヶ丘という学校の“今”を知るために、まずその部分から出岡 由宇先生にお聞きしました。

入試広報部 出岡 由宇先生
※撮影時のみマスクを外していただきました。

「小さな学校の大きな挑戦」とは、何を表現しているのでしょうか。

「本校は、東京都にあるおよそ180校の中学校の中でも最も少ない1学年120名の『小さな学校』です。少人数制教育は『全教員が全生徒のことを知っている』『生徒と先生が近い』『アットホームな雰囲気ときめ細かな指導』などのメリットが生まれますが、本校では『小さな学校』だからこそできることがたくさんあるのではないかと思っています。それはどういうことかというと『小さな学校』は小回りが効きますから、型にはまった教育ではなく、時代に合わせて生徒がやりたいことや要求することに教師がどんどん応えていくというアプローチです。未来はやりたいことの先にひらけるので、やりたいことをどれだけ生徒に見つけさせてあげられるか。またそれを成長させてあげられるか。そこに取り組むことを『大きな挑戦』と呼んでおり、本校でやりたいことを探究して育った生徒が、どこまで大きくなれるのかが私たちの使命であり浪漫です」

「大きな挑戦」について、お聞かせください。

「母校である本校を日本で一番いい学校にしたい。生徒も先生も“学校が大好き”な学校にしたい。その想いをどこまで実現できるかが『大きな挑戦』です。そのために立ち上げたのが教育企画部であり、そこに先生が集まり、皆が納得して同じ方向を向くまで話し合いました。この取り組みは学校改革というものではなく、とにかく生徒にも先生にも、そして保護者の皆様、地域の方々にも“愛される学校”にしたいというもので、普通はそのために生徒に対して何かを行うことが多いと思うのですが、本校ではそのためには生徒の前に先生が変わらなければならない。先生が楽しくなければ、生徒も楽しくない。まずそこからはじめようという話になりました」

出岡先生とともに「A知探Q」を支えてきた左から有江先生、山本先生、藤永先生

それが「A知探Q」につながっていくのでしょうか。

「2017年度まで勉強に特化したサマーセミナーを行なっていたのですが、日々の補習や放課後講習の延長にあててしまっていいのか。それよりも夏休みという機会は、未体験なことを体験してみるべきではないのか。1年半くらい会議を積み重ね、<人の叡智を知って探究する、またANSWERを知った上でさらなるQUESTIONを探す>という『A知探Q』を2018年から始めました。これは先生が学科にとらわれることなく自分が好きなことを教える講座で、好きなことを真剣に探究する楽しさ=学ぶ楽しさを生徒に伝えるために行なっています。例えば数学の先生が生徒を釣りに連れていき、魚を殺生して命を『いただきます』ということを教えたり、普段の授業ではできないことを講座として行なっています」

「教師が楽しまなくては、生徒も楽しめない」が合い言葉。夏休みに先生が一丸となって取り組む探究講座「A知探Q」では、普段の授業とは異なる学びの時間を通して、問題や課題の答え(Answer)を知るだけで終わらず、そこから次の疑問(Question)を見つける大切さを学んでいます。

https://www.hijirigaoka.ed.jp/education/activity.html

「A知探Q」は、何を大切に行われているでしょうか。

「本校では、本物に触れて成長すること大切にしています。今はインターネットで他の人の体験を疑似体験することができますが、本物の体験とは生徒自らがその場に行って見て触れて感じることです。『A知探Q』で本物の体験をしてもらうと、自ら動いて学ぶ楽しさに気づき、その楽しさが自分の将来を考えるきっかけになるのです。本物というと、スゴイことをイメージするかもしれませんが、それは身近な大人でもいいのです。『A知探Q』は、学科以外のことを大人が教えて体験させているだけです。今の生徒はインターネットで何でも知った気になっており、隣の大人に怒られる機会もほとんどありません。大人はその人生経験から、人により様々な価値観を持っていますから、生徒には体験だけでなく、先生と親以外の大人(=価値観)と接する機会をつくり刺激を受けさせたいと思っています」

「A知探Q」を中長期的なものに展開していこうとする同校では、まず地元の多摩市と組み、多摩市を若者・子育て世代にとって魅力的な街にするために多摩市の魅力を創出・発信・実践する「多摩市若者会議」(https://tamayouth.jp)に生徒が参加。「多摩市若者会議」で出た話題を持ち帰り、それに対するアイディアを出して、農業を行なったり、商店街を支援するプランをつくったりしているといいます。

https://www.hijirigaoka.ed.jp/lp-2022/

「身近でなければ、探究を日常化すること、また継続してやり続けることは難しいのです。グローバルの前に、身近な地元をフィールドとすること、身近な大人と接することが大切だと思います」

「A知探Q」の目的は、どこにあるのでしょうか。

「自分で物事を考え、自分の力で勝ち取りにいき、その先にある『うまくいった!』『できた!』という達成感や自己肯定感を得て、自信を積み重ねていくこと。それを学校という場と先生という人材が支援して行うのが教育の大切な部分であり、探究の良い点だと思っています。身近なことからはじめていますが、学校で一番になっても、世の中、世界、社会はもっと広く、それはちっぽけなことです。そこを打破するためには、世の中のいろいろな大人と話すことがいいのです。いろいろな大人と話すことで、『あんな大人になりたい』という具体的なイメージがわき、そのためのビジョンが生まれてきます。ただお金持ちになりたい、だからいい大学に行っていい会社に入って、、、はビジョンではなく妄想です。ビジョンには想いと道筋があります。自信と自己肯定感を持ってビジョンに向けて胸をはって生きていく力をつけること、それが『A知探Q』の目的であり目指していることです」

https://www.hijirigaoka.ed.jp/questlp/

適性検査試験について教えてください。

「作文型(適性1)と資料型(適性Ⅱ)の試験を行なっています。基本的に都立の受験対策をしていれば大丈夫です。資料型は、分量のある情報をきちっと読み、それを整理し、再構築する力を見ます。対策としてはニュースを見て、自分の意見をつくり、家族とそれについて話して、まとめるといった練習をすると良いと思います。また本校では、試験の解答を受験日に添削してお手元に戻しますので、公立受験をする前の良い参考になると思います」

取材は適性検査試験のことより、「小さな学校の大きな挑戦」と「A知探Q」の話となってしまいましたが、多摩大学聖ヶ丘の魅力は、そこにこそあり、まずこの部分をご紹介したい内容となりました。

教えて!学校のこと 試験のこと

適性型入試で入学された生徒さんへのアンケートです。ぜひ参考になさってください。

左からN.Kさん、S.Hさん中、S.Hさん右

Q. 中学受験を考えはじめたのは何年生の頃ですか?

・小学4年生の3学期に塾に入り、それからです。(N.Kさん)
・小2から塾に通っていて小4位から受験を考え始めました。最初は都立志望でしたが途中から私立も受けようと思いどちらも勉強していました。(S.Hさん中)
・友達が小2で塾に入りその話を聞いて私も小3で塾に入りました。小5の時に、中・学受験を考え始めました。(S.Hさん右)

水泳部のN.Kさん

Q. 多摩大聖ヶ丘をどこで知りましたか?

・2歳上の兄が受験する時に親が文化祭などを見て本校選び、在校生になりました。私も適性検査があるので受験しました。(N.Kさん)
・父の会社の同僚の方が、テレビで多摩大聖ヶ丘の特集を見て、すすめられてしりました。(S.Hさん中)
・朝日小学生新聞で紹介されていたのと、家が近いので車で前を通る時に、いいなと思っていました。(S.Hさん右)

Q. 多摩大聖ヶ丘のどこに魅力を感じましたか?

・水泳をしていたので温水プールがあるのが一番ですが、他に受けた学校が大規模校だったので人数が少ないのはいいなと思っていました。(N.Kさん)
・実は、父の会社の同僚の方のすすめで母が申し込んでいたので、試験当日まで知りませんでした。(S.Hさん中)
・小5の時に説明会に参加し、母が聞いてくれたのですが、小人数制というところがいいと思いました。(S.Hさん右)

将来は広告関係か芸能事務所に進みたいS.Hさん中

Q. 適性検査試験はどうでしたか?

・都立受験のための勉強を週7くらいでやっていたので、適性的な問題はできました。ただ前日の私立が適性ではなかったのであまりできず、社会が苦手なので、そこがちょっと心配でした。(N.Kさん)
・結構できちゃったので、ナゾの自信がありました。(S.Hさん中)
・試験を受けた夜に、解答に丸つけ添削がされたものが届くのですが、結構できていて安心しました。(S.Hさん右)

Q. 試験の丸つけ添削は参考になりましたか?

・結構びっしり書いてあって、苦手な社会でもいいところを見つけてくれて褒めてくれていたのはうれしかったです。(N.Kさん)
・普通の学校は試験結果は、受験番号でわかるだけなんですが、この学校は、ていねいに○×△をつけて教えてくれ、いい学校だなって思いました。(S.Hさん中)
・主に作文について、余分なことや話し言葉に、「これはなくても大丈夫!」と添削してあり、参考になりました。(S.Hさん右)

茶道部のS.Hさん右

Q. 入学してみてどうですか? 入学後の印象や感じたことを教えてください。

・勉強をガツガツするというよりわからないところをちゃんと教えてくれる、雰囲気というかあったかさがいいです。(N.Kさん)
・制服がかわいいし、のびのびとしているし、先生と生徒の距離が近くて仲がいいのは他の学校にはないところだと思います。(S.Hさん中)
・昔から茶道に興味があって茶道部に入れてよかったです。(S.Hさん右)

Q. A知探Qに参加してどうでしたか?

・理科、地学、科学、生物が好きで、それに関係するものを受講しました。タブレットを使って調べたり、他学年の人と話したり、自分とは意見が違うことを通して、好きなことを深めることができて楽しかったです。(N.Kさん)
・お母さんから、この学校はA知探Qが魅力なんだから積極的に参加しなさいと言われ、論文、ブルーベリー、和紙、若者会議に参加しました。普段は触れないことから多くのことが学べてとても楽しかったです。(S.Hさん中)
・被災地についてと鉱物についての2つに参加しました。被災地については改めて被災地のことを考えさせられるいい機会になりました。鉱物は卒業論文で書こうと思っていたので参加したのですが、普段自分では考えられなかった科学式などに触れられてとてもいい勉強になりました。(S.Hさん右)

Q. 多摩大聖ヶ丘は、どんな人に向いている学校ですか。

・在校生の兄がとても自由な人なので、したい人はもちろんですが、自分から勉強したいと思わない人も面倒を見てくれるので、どちらのタイプにもいいと思います。(N.Kさん)
・人と話すのが好きで、いろいろなことに興味を持つ、明るくて楽しい、感性が豊かな人に向いていると思います。(S.Hさん中)
・勉強だけがすべての人には向いていなくて、友達との関係性を大切にして、勉強も好きなこともしたい人に向いていると思います。(S.Hさん右)

Q. これから中学受験をする人へメッセージをお願いします。

・勉強はあまり好きじゃないのですが勉強を楽しくさせてくれます。また先生とや先輩とも話やすく、人のつながりがいい学校です!(N.Kさん)
・勉強を教えてもらうとか相談とかもありますが、通りかかっても先生が話しかけてくれたり、雑談?とかも先生としやすくって、とても楽しいです。私が行こうとしていた学校はマンモスで、それに比べたらこの学校は小さく、先生の愛?っていうのを感じるいい学校です!(S.Hさん中)
・生徒同士も仲良く、のびのびした学校です!(S.Hさん右)

取材Memo

日本一の職員室
カタチもなく手づかみもできない教育をつくるのは、学校という建物ではなく、先生と生徒の1分1秒の積み重ね。大きな学校では、生徒の評価を数値化しなければ運営が難しいかもありませんが、小さな学校・多摩大聖ヶ丘では、先生全員が生徒一人ひとりを、名前と顔と性格を一致させてわかっているといいます。生徒がふらっと訪れる職員室では、先生同士の生徒の「あいつがどうしたこうした」の話が絶えないばかりでなく、「今度あれをしよう、これをやろう」の雑談会議が自然発生的に生まれているといいます。そんなアナログで人間臭い職員室は、多摩大聖ヶ丘の作戦本部であり、出岡先生が、日本一の職員室だとおしゃっていたのを得心する取材となりました。